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仮題『讃歌、酸化、散華』/『篝火:散逸』/『豪雨』
手の舞い足の踏む所を知らず、か。
知らないうちに、眠りに落ちて。
仮題『讃歌、酸化、散華』
徒歩二百秒の理想像が
ふらつく足を支えていた
恋人ごっこの果てにあるのは
盲いた目か 縊死の縄か
乳化の気配もない君を
圧し折ってしまえたなら きっと
この苦しみも終わってくれるのだ
この物語は綴じられるのだ
仮題『篝火:散逸』
吹き消してしまえばいいのだ
ほんの小さく灯ったそれを
きみが最後に憩う場所を
踏み荒らしてしまえばいいのだ
それができないのが きみの弱さ
それができないのが きみの強さ
そんなことを望んでしまうのが
どうしようもない わたしの弱さ
仮題『豪雨』
ぽつぽつと肌を打つ
ぽつぽつと頭を濡らす
涙は手のひらいっぱいに
哀しみを溜めるでしょう
ざあざあと責め立てる
ざあざあと追い立てる
その冷たさは波のように
私を殺す 寒さのように
雨宿りすら、許さないよ。




