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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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157/205

仮題『戸口を閉じる:Side』/『カナリア』/『ブランド』

そういう生き物なんだよ。

落ちてしまった、鳥を憂いて。

仮題『戸口を閉じる:Side』


一挙手一投足を祈りであると

信心の舞いであるとするのなら

それが救われぬあなたによる

神の不在証明になるでしょう


羊水の中 眠りと負債

カフェイン中毒の子供を殺し

混ぜものだらけの人生を

運ぶ赤血球になるのです



仮題『カナリア』


囀る声が聞こえていた

死ねば終わりにできるのだと

嘯く声を否定もできずに

君の火で炙って喰っちまった


空を飛べよ 緑色の翼で

夢を見ろよ 真珠の目玉で 

君の住んでた あの美しい島が

爛れていくのを知らぬまで



仮題『ブランド』


私の名前も知らないくせに

私の姿も知らないくせに

輪郭に滲んだ色だけを見て

かっこつけた名前で呼ぶのだろう


ラベルが剥がれば量産品

紛れて見えなくなる私を

棚の中から見つけられるなんて

最初から思っていないのだ


微睡みがあなたの支配者だよ。

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