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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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156/205

仮題『ブレイブ』/『泣いて、泣いて、笑って。』/『差:Gender』

平凡な君には手に入らないよ。

仮題『ブレイブ』


レースカーテン越しに見た

惨劇もエンターテイメントだって

呼ばなきゃやってらんないよな

そう言っていた 君はもういない


結局のところ 続ける勇気よりも

終わらせる決意のほうが尊く

私たちの命の軽さを見せつけるような

人工の光が 止まないの



仮題『泣いて、泣いて、笑って。』


いい加減にしてよと叫んだ

その表情が嫌いだった

アラベールの上に色を載せたような

凹凸衒った表情が嫌いだった


終わりよければ なんて

決まって口にするあなたのもとに

戻ることができたのであれば

この雫も 報われるのに 



仮題『差:Gender』


多様な性 なんて言葉で

あなたがこれまでに殺してきた

自由や尊厳の亡骸を積んで

天高くまで伸びた塔だ


神が傲慢を咎めないのなら

醜悪と俗悪が羽根を伸ばすのだから

わたしには鉄鎚が必要だ

あなたには鉄鎚が必要だ


散々だと叫んだ、あなたに一輪の幸福を。

潰れちゃいなよ、虫けらみたいにさ。

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