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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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149/205

仮題『アレルギー』/『陰謀論:Foolish』/『爪先:Late』

黒い言葉ばかりが、届かないといいね。

靴、たまには磨いたら?

仮題『アレルギー』


いつしか 薄れていく自意識を

手放さないための 防衛機構だ

社会の全てが嫌いだった

世界の全てが嫌いだった


愚かなわたしは 痛みがなければ

手足の実存も信じられないから

今日も 鼻孔の奥を突くような

鋭い痛みに 顔を歪める



仮題『陰謀論:Foolish』


結末は別れだと 訳知り顔

秩序は欺瞞だと 斜に構えた

あなたの葬式は寂しいもので

たなびく煙も吸いやしないんだ


カンヴァスの裏が黒かったとして

それに君が気付けるほどに

世界は単純な顔をしていないんだ

世界は単調な線をしていないんだ



仮題『爪先:Late』


盲導鳥の死骸に咲いていた

菌糸を摘む度 痛みに跳ねた

爪が生えない理由も忘れた

あなたが全部 悪かったんだ


誰のせいにもできないって?

そりゃあ 当たり前だよ

壊れた靴を履き続けたから

いつの間にか壊死していたんだ



責任転嫁は止してよ。

君の人生は君だけのものだ。

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