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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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150/205

仮題『虚飾:Line』/『夜に溶ける』/『君の横で』

灰になってしまったの?

それが新しい言い訳?

笠に着た言葉は何色なんだろうね。

仮題『虚飾:Line』


白い鳥の羽をひとつ

赤い鳥の嘴をひとつ

青い鳥は ついに捕まらず

継ぎ接ぎの翼で飛び立つのだ


啄む痛みを受けるくらいなら 

与える側になってしまえば

ビル群の間を彷徨う錆に

別れを告げられるだろう



仮題『夜に溶ける』


原色の光を指で押さえて

形を変えたさよならを紡いで

慣れたフリをした別離の痛みも

癒えないままで 言えないままで


二進数にできない心も

半自動的に砕いてくれたのなら

わたしの一番嫌いなわたしも

藍の空に消えてゆけるのだ



仮題『君の横で』


何時までもと願っていた

変わらぬものもあるだろうと

ありふれた言葉を借りる程度に

追い込まれているんだ


選んでもらえなかった人魚姫の

泡は 凪いだ海面ですらも

生きていくことはままならないから

その先は 聞きたくなかったのだ


ぱちん、なにかが、きえるおと。

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