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仮題『神隠し』/『ペルソナ』/『憧れたもの』
忘れたわけじゃないんだけどさ。
底知れた君も、嫌いじゃないよ。
仮題『神隠し』
あっちにもいない こっちにもいない
思い出の中に置いてきたきみは
今も 降り注ぐ蝉時雨の中で
まるで消え入りそうに笑っている
ねえ あの子はどこに行ったの
子供が知ることじゃありません
ねえ あの子はどうなってしまったの
子供が知ることじゃありません
仮題『ペルソナ』
付け替え 入れ替え 貌色伺い
溢れた内蔵を拾うことすら
滑稽なものだと嘲笑う彼の
踵を削いで 刺し貫いて
それができたのならば こんなにも
たくさんの貌はいらないのだから
一つに絞った わたしを見てと
叶わぬ虚像に 馳せるのだ
仮題『憧れたもの』
さざ波を喰らいて昇る
頭のない 二足の老いた龍を
干魃の丘から眺める児らを
曲げて 曲げて 曲げて
「いつか」すらも粉微塵に
その背骨の欠片を抱いて
屋上から身を投げる前に
忘れてしまうのが 幸せだろう
宇宙を小瓶に閉じ込めようか。




