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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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131/205

仮題『羽花不全』/『堕落』/『カムイ』

どろどろ、ふふ。

あなたごと埋めてしまおう。

仮題『羽花不全』


連鎖的希死念慮の飽和

ハロー ハロー プログラムの崩壊

邪に並んだ黒のコードは

朝晩2回の内服薬だったのだ


忘れ給え 忘れ給え

ヒトであることなど忘れ給え

千切れたフィラメントを食べて

きみの肺腑は育つのだ



仮題『堕落』


坊やの眠りを祈る前に

捧げた 紅色の滑らかさを

どこに噛ませることもできない

滑車に成り果てたのだろうか


ああ 落ちる 落ちる

加速度は十にも満たぬまま

飛び込んだ胃袋の生臭さを

拒むための正当化を繰り返す



仮題『カムイ』


凍った脳漿 ひび割れの指

呼気の欠片が密度を増して

円運動に支配された きみの視界の

どこにでもそれは在り続ける


名前を付けよう 恐れぬように

名前を付けよう 愛でられるように

ただ一時 舞台で踊るわたしたちには

今日の題名もわからないのだから


空っぽの胸の中だ。

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