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仮題『スペクトラム』/『投資』/『桃』
苛々しないで、ね?
実って、実って、腐り落ちるまで。
仮題『スペクトラム』
青を囲む 真鍮製の虹の額が
欲しかったわけではないはずなのに
分かれた階を辿る爪先を
霞む旋律が攫ってゆく
音階と色調が上がってゆくたびに
上昇してゆく わたしの脳髄も
半身麻痺の気配を知らずに
明後日の予定に書き込んだのです
仮題『投資』
時間も金も 骨で耕した
お前の頭にゃ 染みやしない
上っ面だけの言葉なんてもう
鼓膜が痙攣 拒否反応
パズルのピースには例えられない
オセロと将棋の異種格闘
愚かなその顔 引っ叩くために
積みに積んだり 何百億
仮題『桃』
ひとしずくの潤いをください
歯が沈む感覚を忘れたくないと
舌を鈍麻させる甘味に酔った
愚かなわたしを潤してください
鮮やかな色の果実ほど
鼻先の芳香で かき乱すから
いつの間にか抜け落ちたことにすら
ああ 接げぬ あと ひとひら
育てられないなら飼わないほうがいいよ。




