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仮題『報』/『泥』/『サーカス』
しあわせになんか、なれないよ。
何度でも言うよ、甘えるなってさ。
仮題『報』
明日 午前8時のホームに
悴んだ手を救いに来て
なんの対価も求めなかった
糊の効いたあなたを救いに来て
いつか辿り着けるのだと
唱えては疑わなかった
透き通った水晶玉のあなたを
もう一度だけ 拾い上げて
仮題『泥』
さあさあ浸かれ 膝まで浸かれ
染み入る寒さに骨まで凍え
吐露した臓腑は迷子になって
砂利の食感 怖気 怖気
お前の轍を束ねた淀みは
必然 当然 暗褐色
さらばの味を覚えたつもりで
泣けぬ 泣けぬと 喚き散らすのだ
仮題『サーカス』
誰もが道化だと思っているだろう
舞台の上で おどけることすら
ただの石である お前には
遠い 遠いものだというのに
我々はみな 観客であり
身を切ることも 痛みも知らず
野次と歓声の二つの手札を
順番通りに 切るだけなのだ
明かりを目指して、あなたを突き落として。




