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仮題『余暇』/『掴』/『モラトリアム』
うとうと、うとうと。
仮題『余暇』
落とした 時間の端切れを
再形成してできた継ぎ接ぎに
浮かぶ まだらの模様に
上陸しては 旗を刺そうか
海岸沿いに歩いてゆけば
黙して並ぶ貝殻の道が
潮騒の讃歌で 服を靡かせる
そんな空想 最寄り駅
仮題『掴』
一握で満足できなくて
指の間から零れ落ちるほどに
こんな幸せはいらないのだ
こんな幸せはいらないのだ
墓穴の底で 我に返れば
鏡面の向こうにある靄こそが
この手に この手にと
手遅れの鐘が鳴る あなたのために
仮題『モラトリアム』
熟れる前の果実なのだと
青い皮に包まれては
そのまま腐ってゆくなんて
籠の中で 気が付かぬまま
朝日を浴びて 水を啜って
紫外線に焼かれ 汚水を溶かして
ああ またひとつ 黒ずんだ
あなたの人生 おひとつどうぞ
都合の悪いことを、現実と呼んで。
騙されると思った?




