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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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109/205

仮題『もののふ』/『自分事』/『判断』

その自己満足を、生き様と呼ぶんだよ。

鼻歌、ご機嫌だね。

嫌なことでもあった?

仮題『もののふ』


死ぬことと見つけたりと

悟ったように気取る背中の

本音を聞ける その刻は

もう 歴史に飲まれてしまったから


斯様に生きた足跡を辿り

馳せた思いと その轍が

愚直に信じた一刀のように

どうか 正しくありますように



仮題『自分事』


落とした視線の先に見つけた

小さな ささくれの痛みすら

閉まった 各駅停車の扉に

挟まれ 言えず 消えていった


水面に去ってゆく泡の背を

掴むことすら 許せないまま

内側に向けた嫌悪の数だけ

また 骨を折るのでしょう



仮題『判断』


どんな道行きも死に終着するなら

あの日の岐路の懊悩すらも

身を裂くような 別れだって

全てが無意味だというのだろうか?


右も左も 待ち受けるものが

人であることのしがらみならば

もういっそ 酸素も捨ててしまって

たった一人で 沈んでいこう

ふらつくのも結構。

私は怒ってあげないよ。

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