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仮題『虚栄心』/『底』/『毒牙』
それは、あるいは君なのかも。
大きく、息を吸って。
仮題『虚栄心』
さあ そこに掛けるといい
つまらないものだと言われても
その 幼い心を奮い立たせるのに
見えない骨が必要だったのだろう
それならば きみの苦悩を笑うものを
すべて吹き飛ばしてあげられるほどの
苛烈さをもって 抱き締めることが
あの時 できたらよかったのにね
仮題『底』
差し入れた指が着いた先は
予想よりもずっと浅いか
期待させてしまうほどに深く
見失ってしまうのだろうか
朗々と歌えよ 凡人賛歌
自虐で覆って 涙は隠し
気付いてしまった欠落を
虚勢の蓋で覆ってしまおう
仮題『毒牙』
それを愛と呼び それを絆と呼び
尊みながら 大事に仕舞い込んで
いつしか蝕まれた痛みに気付くとき
既に 肉は腐り落ちている
腐敗の痛みが無いように
愛は甘い麻酔のように効くのだ
絆は酩酊の心地良さを齎すのだ
愚か者は 墓の下
痛いのに、薬は飲まないの?




