闇のあと
「CROW?でも…その姿は…」俺は彼が座っているのを見つめながら呟いた。
座ったままの姿勢で、CROWはまるで自分自身を観察するかのように、静かに自分の手のひらを見つめていた。
その後、彼は俺を見つめた。
「そうだ。この姿……この力……すべては、お前の内なる願いが生み出したものだ」
「格好いいなぁ…」俺は感嘆の声を漏らした。
彼は立ち上がり、静かな足取りで俺に近づいてきた。
彼が椅子から離れた瞬間…
……彼の後ろにあった椅子が、突如として紫色の炎に包まれた。
その炎は暗い地面の上へと大きく広がっていったが、彼はそれが自らの力の一部であるかのように、平然と歩みを進めた。
「次の世界に魔力があるのなら…」
CROWはまるで俺にその手を握らせるかのように、ゆっくりと俺に向かって手を伸ばした。ハイタッチだ。
「自分の心に素直になれ…俺の力を使えばいい」
「そして、世界に見せてやろう。真の暗黒を」CROWの表情は冷徹だった。
俺の手はすぐに伸び、彼の手に触れた。ハイタッチだ。
「さすが……俺だ!」俺は誇らしげに声を上げた。
刹那、CROWの身体は紫色の炎へと変化し、俺の手首に向かって猛スピードで飛び込んできた。
その炎は瞬く間に俺の全身へと広がっていった。
炎が徐々に収まっていくと、俺の容姿は完全に変貌していた……
……俺は今やCROWの服を身に纏い、耳元には先端に赤ルビーの飾りが付いたチェーンのイヤリング、そして両目は黒い布で覆われていた。
俺の身体から薄い煙が立ち上る。
俺は紫色の炎に燃える手のひらを見つめながら、力を確かめるように何度も拳を握りしめた。
「ふん……これが俺の本当の力か」俺の話し方は威厳に満ちていた。
その後、部屋の暗闇がゆっくりと崩壊していった。
俺の視界の中で、すべてが果てしなく広がる純白の空間へと変わっていく。
俺の目の前には、悲しげな顔でうつむく、俺によく似た一人の少年が立っていた。
違いといえば、彼の髪は黒髪で紫色の光沢を帯びており、髪の先が後頭部で結ばれていることくらいだった。
彼は無地の白い服を着ていた。片方の手首には黒い紐のブレスレットが巻かれており、その端には小さな飾りがぶら下がっていた。
「お前は?」俺はCROWの姿のまま尋ねた。
「僕は次の世界でのあなたの魂の器です。アキラ・クロハネ」
「なるほど、来世では俺がお前の代わりになる…そういうことか」俺は威厳をもって言った。
「はい……僕が死んだ後、女神様もだいたいそんな風に言っていました。でも…」
彼は悲しそうな表情で言った。
「でも何だ?可愛い妹が俺のものになるのが怖いのか?それとも嫁を取られるのが怖い?あるいは、お前の『ママ』がエロすぎて、夜も眠れないほど気になるか?」
アキラは目を閉じながら、首を振った。まるで俺の推測がすべて的外れだと言わんばかりに。
「ち、違います……そんなんじゃないです…むしろ逆で、あなたに申し訳なくて」
彼の声は悲しみに満ちていた。
「ん?違うのか?この俺が?」
アキラはまだ視線を少し下に向けたままで、話し始めてから俺たちの視線が交わることは一度もなかった。
「僕には妹はいないし、母もすでに亡くなっていて……ただ、義理の姉が三人います」
アキラは両手を上げ、自分の実力を測るかのように両方の手のひらを見つめた。
「魔力も身体も弱かったせいで、父親に家を追い出され、最後は貧しさの中で死にました…」
アキラは俺を見つめ、それからゆっくりと自分の額に触れた。
彼の頬を涙が伝い落ちる。
その視線は、まるで俺が彼の運命を引き継ぐのだと言っているようだった。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい。あなたが僕のこの不幸な運命を引き継いで生きることになってしまうなんて…」
CROWの姿のままで、俺は少し考えた。
(残念だ。てっきりハーレムの世界が待っていると思ったのに……ハズレみたいだ)
「何だと思えば、それだけか」俺は静かにアキラを見つめながら言った。
「え!?は、はい……それだけですけど…」アキラは呆然とした表情を浮かべた。
俺は歩み寄り、横からアキラの肩をポンと叩いた。
「安心しろ。それはお前の問題だ。俺には関係のない話さ」俺は微笑みながら言った。
「で……でも!」
俺は歩みを進め、アキラに背を向けた。
振り返ることなく、別れの挨拶代わりに片手をひらひらと振った。
「少なくとも、次の人生が便所の世界でなければ、それで十分……さらばだ!」
俺の身体は徐々に薄れていき、まるで光に飲み込まれるように消え去った。
『便所の世界?それ、僕の運命より怖いんじゃないですか』アキラの心の中で呟いた。




