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破滅都市ヴォーデンベック ―記憶喪失兵オリバー  作者: ケロタコス


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第3話 初めての勝利


人質を盾にしながら、ゴブリンの長は槍を振るう。

その捌きは、他のゴブリンとは明らかに格が違った。


……隙がない。


戦いながら、長はじりじりと後退する。

やがて槍を構えた。


投げる――!


放たれた槍は、異常な速度で空を裂く。

反応が遅れた。


――ドンッ!


左肩を貫かれる。


「――っ、うああああああああああっ!!」


肉を抉られる激痛。

膝が地面に崩れ落ちる。


ヘルメットの内部で警告音が鳴り響く。


ピー、ピー、ピー――。


「マスター、大丈夫ですか!?

今からアドレナリンを投与します!」


《ハイパー・アドレナリンブーストを放出します》


音声ガイドが説明を始める。


《副作用として、幻覚・幻聴・吐き気――》


……途中から、何も聞こえなくなった。


胸の奥で、ただ一つの感情だけが燃え上がる。


――殺す。


全ての魔物を。


「うああああああああああっ!!」


オリバーは叫びながら突進した。

人質ごと、ゴブリンの長を貫く勢いで。


――その瞬間。


地面から影が跳ね上がる。


潜んでいた三体のゴブリンが、同時に槍を突き立てた。


ドスッ、ドスッ、ドスッ。


身体を貫かれる。


ゴブリンの長は嗤う。


「ギャッハハハハハ! オシマイダ!」


――その刹那。


上空から影が急降下する。


OKBだ。


長の背後へ回り込み、鋭く引っ掻いた。


一瞬の隙。


それで十分だった。


オリバーは腕の刃を縮める。

発射口が開く。


――撃つ。


刃が射出され、一直線に飛ぶ。


ゴブリンの長の頭を貫いた。


ぐらり、と巨体が揺れ、崩れ落ちる。


続けざまに、刺さっていたゴブリンたちへも刃を放つ。

次々と倒れていく。


静寂。


人質は、長の死体に寄りかかるように倒れた。

何が起きたのか分からず、ただ怯えている。


OKBは上空へ舞い上がり、信号弾を撃ち上げた。


――山の奪取完了。


オリバーは血にまみれた身体で、人質へ近づく。


全身には鞭の痕が残っていた。


顔の袋を外す。


「……っ、ううっ!」


女は、目の前の姿に息を呑む。


血に濡れた鎧の巨体が、そこに立っていた。


(ひっ……化け物……)


オリバーが縄を解くと――


彼女は、そのまま糸が切れたように気を失った。

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