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ずっと片思いだった女子が同じクラスになった途端グイグイ来るんですけど  作者: ナミツキ


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134/139

134話


「ふぅ…気持ちいいなぁ…」


広い露天風呂を独り占め。最高じゃ無いか。

首を石に乗せて手足を伸ばして脱力する。


しばらくそのままリラックスしていると、ガラガラと扉が開く音がしたのでチラッと音の方を見ると、同い年か少し年上っぽく見える人が入ってきた。


こういう温泉に若い人も来るんだなぁ。


そう思いながらチラッと見ると目が合った。

知らない人と話すような性格でも無い俺は特に気にせず、ゆっくり温泉を楽しんだ後風呂から上がり浴衣に着替えて暖簾をくぐった。


部屋に戻ろうとすると廊下に設置されている椅子に座っているのを見つけた。

「あれ?明里?」

「あ!遅いよー!結構長風呂なんだね!」

声に気づいた明里さんが立ち上がり俺の方へとやってきた。

旅館の浴衣を着た明里さん。風呂上がりもあって上気した顔に髪もまだ少し濡れて、なんだかいつもと雰囲気が違ってすごく色っぽい。


「待ってたんだけど直樹全然出てこないから先に飲んじゃった。温泉出たらやっぱりこれでしょ?」

そう言ってフルーツ牛乳と書かれている空き瓶を見せてきた。

「あ、あー、テレビとかでよく見るやつだ」

「そうそう!お金持ってきてないでしょ?着替えしか持ってきてなさそうだったからね!」

そう言って俺の手を取り近くの自販機に引っ張って行く明里さん。

そういえばお金なんて部屋に置きっぱだ。


「どれ飲む?」

「いや、明里の言うとおりお金持ってきてない…」

そう俺が言っている間に、チャリンチャリンとお金を自販機に入れた明里さん。


「ふふふ、好きなのを選ぶといいさ!準備がいい私は直樹の分も持ってきたからね」

「あ、ありがとう、頂きます」

ここはお言葉に甘えて奢ってもらうことにしよう。


自販機のレパートリーはなんと、牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳の三つだった。

渋いな。


「じゃあ俺はコーヒー牛乳を」

ボタンを押すとガコンと言う音と共に出てくる瓶のコーヒー牛乳。

「へー、直樹コーヒー牛乳派なんだ」


「いや特に派とかはないけども」

コーヒー牛乳を取り、自販機の前で蓋を開けて一口。


キンキンに冷えた牛乳が温まった喉を通り過ぎる快感に思わず一言。

「うま!」

「だよね!温泉出た後のキンキンに冷えた飲み物最高だよね!ここの温泉ちょっと熱めだし!」


ゴッキュゴッキュと一気に飲み干してしまう。

「いや、マジで最高だね、ありがとう明里」

「いいよいいよ」

自販機の横に置かれているビン回収と書かれた箱に俺と明里さんは空き瓶を入れる。


「風呂上がりのお約束も終わったことだし、部屋戻ろっか」

「もう愛菜さんたち飲み終わったかな?」

「流石にもう飲んでないとおもうよ?」

そんな話をしながら部屋に戻った。


部屋の前に着くと「ちょっと待ってて」と言って牡丹の間に入る明里さん。

すると「直樹の部屋に行く許可とってきた!」とニコニコしながら出てきた。


今はだいだい9時前だろう、そんな時間に一緒に居れるなんて初めてのことだ。

「よくOKしてくれたね」

「せっかくの旅行だもん、これぐらいは多めに見てもらわないと!でも11時には帰ってこいって言われちゃった」


あと2時間か、明日の予定でも決めておこう。

2人で桔梗の間へと入った。

部屋に入ったのはいいんだけど、こう言う時どこに座るのが正解なんだろう。


ベットは流石に論外として、テーブルを挟んで対面?

それとも窓際の謎スペースに座る?


そんな風に悩んでいると、テーブルの横にいそいそと座椅子を並べている明里さん。


「ほら、ここここ!」

明里さんはサッと座った隣の座椅子をポンポンと叩いている。

まぁどこでもいいか…

よいしょと座椅子に座ると隣からお風呂上がりの良い香りが漂ってくる。

無性にドキドキする。


「あ、明日の予定決めようか」

「そうだね!食べ歩きできる所とか、スマホで行ってみたいところ調べよ」

そう言ってスマホをテーブルの上に取り出してぽちぽちと検索を始めた。


浴衣で座椅子に座っていると足元がはだけてチラチラと際どい所まで見えてしまい、視線が釘付けになる。

「こことかどうかな?」

「うぇ?う、うん、良いと思うよ」

「…あ…」

急に振り向いた明里さんに俺が足を見ているのを見られてしまう。

顔を赤くしながらそれとなく服を整える明里さん。

なんとも言えない雰囲気が漂う。


「ご、ごめん、つい見ちゃって」

「そ、そうだよね、直樹だって男の子だもんね!」

「…気をつけます」

こんなチャンス滅多に無い…またチャンスがあれば見よう。


そう心に決めて今度は真面目に明日の予定を考えることにした。


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー


それからあーだこーだ言いながら、明日行く場所にある程度の目星をつけた頃には10時を回っていた。


「よし、あとはその時の流れで気になったところ入ろっか」

「うん、そうだね」

「あー、もう10時回っちゃったー」


楽しい時間ほど過ぎるのはあっという間。

明里さんがこの部屋に居れるのもあと1時間。


「…えいっ」

「おわっ」

急に抱きついてきて体勢を崩す。

「ふふ、あと1時間堪能させてもらうから」

そう言って強く抱きつく明里さん。

お互い浴衣一枚という格好で抱き合うと、色々な感触がダイレクトに伝わる。


お読み頂きありがとうございます!



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