133話
2人で廊下に出るとカートで料理が運ばれてきているところだった。
明里さんの先導で牡丹の間に入ると、俺の1人部屋とは違い大きなテーブルに広い部屋、奥に襖があるから3人が寝られる広さの寝室があるんだろう。
「そろそろ料理運ばれて来るみたいよ」
「うん!廊下で見たよ」
「座って待ってようか」
大きな長方形のテーブルに愛菜さんと剛志さんが隣同士に座り、その対面に明里さんと俺が座った。
座ってすぐに続々と運ばれてくる料理の数々。
一人一人の前に置かれて行く料理。
懐石料理ってやつだろう、綺麗な小鉢に入っている謎の野菜から始まり、刺し盛り、天ぷら、小さな石みたいなので焼く用のお肉に釜飯と目にも豪華な料理たちであっという間に大きなテーブルは埋め尽くされた。
愛菜さんと、剛志さんの前にはよく冷えているであろう瓶ビール、俺たちの前には瓶の烏龍茶が置かれて準備が完了したみたいだ。
宿の人たちが部屋からでで、豪華な夕食が始まった。
「いただきます」
「「「いただきます」」」
剛志さん声を先頭にそれぞれ箸を取った。
愛菜さんと剛志さんはお酒を飲みながら楽しそうに食べている。
「美味しいよね!」
「うん、どれも美味しい、やばい」
俺と明里さんは1つ食べては美味しい美味しいと言いながら楽しく食べた。
「そういえば明日の予定なんだけど、昼から近くで夏祭りがあって夜に花火が上がるから、2人とも行くわよね?」
「うん、でも昼間は暑いから5時ぐらいから行こうかなぁーって私は思ってるんだけど、直樹どうする?」
「そこは明里に任せるよ、昼はどうするの?」
夕方から行くならそれまで時間があるなぁ…せっかく来たし、辺り散策もしてみたいな…
「私たちは近くの温泉巡りする予定よ、温泉だけ入れる宿がこの辺りたくさんあるから。確かスタンプラリー的なものもあった気がするわ」
愛菜さんたちは温泉巡りか。
「暑いのに温泉はちょっと…私たちは昼ぐらいからこの辺りブラブラしてみる?ご飯は食べ歩きでもどこかお店に入るでもいいし」
暑い中温泉に入ることを想像して苦笑いをした明里さんは、俺にそう提案してきた。
「うん、実はちょっと気になってたんだ、お土産とかも見て回りたいな」
「おっけー!じゃあ4時ぐらいに帰ってきて浴衣に着替えてお祭り行こっか」
「分かったわ、着付け手伝うから私たちも4時くらいに戻るわね」
そうして明日の予定も決まって残りの料理を楽しんだ。
「温泉入りに行こうよ!温泉!ここの温泉テレビでも紹介されるレベルなんだよ!」
「え、すご…」
「そうね、私たちはまだお酒飲んでるから、明里たち行ってらっしゃいよ」
「あぁ、行ってくるといい、この宿の自慢の1つだな」
剛志さん結構なペースで飲んでるけど、まだ飲むんだろうな。
「大浴場の場所分からないよね?着替え持ったら直樹の部屋行くね」
「お願いしようかな、ごちそうさまでした」
「ごちそうさまー」
手を振る愛菜さんと、お酒片手に手を挙げる剛志さんに見送られて牡丹の間をでた。
自分の部屋に戻ってきて、着替えに困る。
部屋に置かれていた館内用の浴衣を持って行くべきか、家から寝巻きとしてもってきているTシャツを持って行くか。
「準備できたー?」
すぐに明里さんが館内用の浴衣と洗面道具を持って部屋に来た。
「いや、服どうしようかと思って…」
「あとは寝るだけだと思って私浴衣持ってきたよ」
「じゃあ俺も浴衣にするかな」
浴衣と下着を持って明里さんと部屋を出た。
「たしかこっちだったような気がする!」
部屋を出て館内を歩き回る。
思ってたより広い旅館だったみたいでなかなか大浴場に辿り着かない。
途中売店を見つけたけど、夜は営業してないみたいで閉まっていた。明日の午前中にでも覗いてみよう。
それからすぐに大浴場にたどり着くことが出来た。
「じゃあ後でね!」
当然男湯と女湯で分かれているので入り口で明里さんと別れて男湯と書かれた暖簾をくぐった。
暖簾を潜るとすぐ脱衣所になっていた。
おぉ…銭湯の脱衣所みたいだ…。銭湯行ったこと無いけど。
今は大体8時過ぎ、脱衣所の籠には所々服が入っていた。
空いていた籠に浴衣を入れて脱いだ服も入れ、タオルだけ持って浴室に繋がっているであろうドアを開けた。
温泉独特の硫黄の匂いが香ってくる。
大浴場と言うだけあって洗い場が10ヶ所ほどに、温度の違いで分けているのだろうか、木で出来ている大きな浴槽が2つ並んでいて、おじさん達がくつろいでいる。
そして露天風呂と矢じるしが書かれた看板が壁に貼られていた。
せっかく温泉に来たならやっぱ露天風呂でしょ!
そう思って頭、身体を洗ってから看板の案内を頼りに露天風呂へと向かうことに。
ガラガラと鳴るスライドドアを開けると、the温泉!これぞイメージ通りの露天風呂!ってな石造りの温泉が目の前に現れた。
今は露天風呂には誰もいないようで、俺1人の独占状態。
滑らないようにゆっくりと片足を入れると、ちょっと熱めのお湯が気持ちいい。
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