第9番『ギルド協会』
キルシュの馬車に乗せてもらい、王都へ向かう途中、色々質問してみた。
「キルシュ、冒険者ギルド協会に入会するにはどうすればいいんだ?」
「ギルドに入会するにはまず、王都のギルド本店で登録を済ませる必要がある。その後、剣士の場合はそれで終わりだが、魔術師の場合自分自身の属性を属性の水晶で測り、記録すれば五等の冒険者カードがもらえる。」
へぇ、属性の水晶か。クレアがやっていたことの魔道具版か。
「四等に上がるにはどうすればいいんだ?」
「それは、まず五等クエストを受け、何回かクエストを成功させた後、昇級クエストを受けて、それで次の階級に昇級できるというわけだ。」
なるほど。現実のゲームとほぼ一緒か。でも、四等魔術師に上がるには結構時間がかかりそうだ。
「まぁ実は例外もある。膨大な魔力を持っていたり、オリジナルの剣術の流派を開いていたりすれば特別◯等となったりもする。」
へぇ、そんな制度もあるのか。もしかすると強すぎる人が五等とかの場合、本当は四等の実力もない人がその人にキャリーされ昇級クエに挑んで昇級してしまうなんてこともあるのかな。
そんなこんなで王都が見えてきた。遠くから見てもとても大きく見える城が多分王宮だろう。
「大きいな…それに城下町も活気に溢れてそうだ。」
…キルシュがこっちを見てくる。何なんだろう。少し恥ずかしいな。
「キルシュ、なんでそんなまじまじと僕を見るんだよ…」
そう聞くとキルシュは少し笑ってから口を開いた。
「すまない。王都を見て興奮しているのが子供のようで可愛かったから。」
…何だよ。僕が子供だって?確かに異世界初の大都市ではしゃぎすぎたのはある。だが僕の心はいつまで経っても少年だからな。
「ここが王都か。やはりすごい賑わっているな。」
「カズト。私はギルドへこのまま向かうが、カズトはどうする。」
うーん。どうしようかな。このまま城下町を探索したい気持ちもあるが、早く冒険者カードを貰いたい気持ちもある。
「じゃあ行こうかな。早く冒険者カードも欲しいし。クエストもやりたいし。」
「分かった。じゃあ私について来い。」
少し周りを観察しながら向かうと、すぐに冒険者ギルド協会本店についた。道中に酒場や武器屋などもあったから、今度行ってみるとしよう。
「着いたぞカズト。ここがギルド本店だ。」
ギルドの本店は、やはり本店と言っていい程立派な建物だった。外装は巨大なガラス窓があったり、レンガでできたりしていて、内装は日本の市役所などと大差ないくらい綺麗だ。
一階は受付とクエスト掲示板、二階は酒場兼情報交換の場のようだ。
「やぁ受付嬢さん。私はキルシュ二等剣士だ。定期演習の件で来た。」
そう言うと、受付嬢はキルシュのことを調べ出したようだ。
「キルシュ二等剣士様ですね。ようこそお越しくださいました。定期演習は明日から始まります。本日はギルドが用意した部屋でごゆっくりされてください。
「あぁ、ありがとう。それともうひとつ、私の連れがギルドに入会したいらしく、登録を頼みたい。」
「なるほど、承知致しました。それではお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。」
「僕の名前はトヅカ カズトです。一応魔術師です。」
そういうと、受付嬢は受付カウンターの奥の方から水晶を持ってきた。
「こちらに貴方の魔力をお込めください。」
なるほど、これが属性の水晶か。これに魔力を込めればいいんだな。
僕は水晶に魔力を込めた。…そうしたらなんか受付嬢があたふたしてどこかに行ってしまった。
「ギルドマスター!水晶が見たことない色をしています!!」
ん?……あ、僕の魔力って音属性だもんな。そりゃあ初めてみる色か。
数分して金色のポニーテールのギルドマスターらしき人がやってきた。
「何があったの?……って何この水晶の色!どの属性でもない色に光属性の色が紛れてる…」
あ、まずい。そういえば僕ってクレアに光魔素を分けて貰ってるんだ。
……僕はギルドマスターに全部説明した。クレアのことから音魔法の事も。
「なるほどカズトさん。貴方は五等魔術師では足りないようです。貴方みたいな滅茶苦茶な人は久しぶりに見ました。」
ん?この流れって…キルシュが行きの馬車で話してくれた『特別』等級じゃないのか??
「カズトさん。貴方を特別二等魔術師に任命します。有無は言わせません。」
やっぱり!でもまぁ等級が上のほうがいいか。その方が便利だと思うし。……ってなるかアホ!僕みたいなヒョロヒョロが二等クエストなんて受けてみたら即死だよ即死!!
「ちなみに拒否権は……?」
「ありません。嫌なら入会は諦めてください。」
ですよねー!許してくれるわけないですよね!!ギルドに入会しないのは元も子もない話だし…腹を括るしかないか…
「分かりました。ちなみに特別等級だと何かいいことが?」
「もちろんあります。まずは住居の提供、月に1度報酬が入ってきます。もちろんデメリットもありますが。」
「…そのデメリットとは…?」
「簡単な話です。月に1度、特別等級の者だけの会議に参加してくれるだけで結構です。」
なんだ。デメリットといってもそんなじゃないか。確かに、会議は前世から苦手な方だったが、下手に発言しなければいいだろう、
「なら、冒険者カードの発行をお願いします。」
そう言うとギルドマスターはにっこり笑ってカードを渡してくれた。はぁ…これからは大変な毎日が続きそうだ。




