第8番『旅立ち』
キルシュの騒動が終わってから色々あった。まずはキルシュを村に連れて帰ってみたら、もう村長に泣きながらずっと感謝を言われてたっけ。
でも、そこまで感謝してくれて、キルシュを助けた甲斐があったというものだ。
そして、邪神王について村のみんなに話を聞いてみた。やはり村の全員が共通して理解しているのは、邪神王ははるか昔に封印されたということだけだった。
当時の配下のことは誰も知らないし、今何をしているかなんて以ての外らしい。
「まぁ、そのうち邪神王についても分かるか。ダーマも、この前で終わるわけが無いしな。」
こうして、なんやかんやしているうちに、5日が経った。
「はぁ、そろそろこの村で出来ることも少なくなってきたな…」
「なら王都に行くといい。あそこにはギルドや大図書館とか、色々な場所がある。」
なっ!?キルシュ!?独り言のつもりが、聞かれていたらしい。
「キルシュ!?音もなく近づくのはやめてくれ…」
「そうか、すまなかったな。でも、もし王都に行くというのなら案内してやれる。なぜなら私は二等剣士だからな。」
なるほど…王都か。この国の中心部ともなると色々な情報が集まってくるだろう。それなら、邪神王のことについても何かわかるかもしれない。
「じゃあキルシュ。キルシュの時間が空いたときでいいから、王都について教えてくれ。」
そういうとキルシュは任せろと言ってから、村の見回りに向かった。
よし、そうと決まれば旅立ちの準備だ。
「よぉカズト、この前はキルシュを助けるなんてすごかったな!」
「こんにちはジャネル。この前は剣をありがとう。結局使わなかったけど…」
そう。ジャネルに貰ったとっておき。僕には扱えそうに無かったのだ。というかヒョロヒョロボディに剣術は難しい。
「ジャネル。僕は王都に向かうことにした。だからお礼を言おうと。今まで1ヶ月ちょっと、ありがとうございました。」
「いいんだカズト。逆にこっちも今までありがとな。狩りとかの時は毎回助かったぜ。」
よし、ジャネルにお礼も言えた。これで心残りも無いな。あとはキルシュに王都について話を聞くだけだ。
「やぁカズト。じゃあ王都についてだな。」
「うんキルシュ。頼む。
「じゃあ話そう。この国ーリョーク王国の王都、『セルレッド』は、この国の全てが集まると言っても過言ではない程大きい都市だ。
セルレッドに並ぶ都市といえばあと2つ。魔法開発が進んだ、この国唯一の王立魔法大学もある、魔法都市ローア。剣士が集まり、互いに研鑽しあう剣士養成の為の都市、剣聖の里ティルグッド。」
なるほど。この国は王都以外にも大きい都市はあるようだ。
「そして、その中でも王都についてだが、あそこには冒険者がほぼ全員入会している、冒険者ギルド協会の本店もある。さらに、この国の知識が集まった、王立図書館もある。調べ物をしたいのなら行くべきだろう。」
「キルシュは冒険者ギルド協会には入っているの?」
「あぁ、じゃなければ二等剣士などと名乗れない。等級はギルド協会が決めているものだからな。」
なるほど。なら僕もギルドに行けば最低でも五等魔術師になれるということか。
「ありがとうキルシュ。ちなみにどうやったら王都へ行けるんだ?」
「明日、王都から私の定期演習の為の迎えが来る。それに乗って行こう。」
「へぇ、明日ね……ん?明日?」
「明日だ。」
大分……というかとても早いな。でも、早いうちに行動できるならいいかもな。
その分、王都で色々できる時間も増えるだろうし・
「よし。じゃあ明日王都へ向かおう。キルシュ、お願いしたい。」
そう会話をした後キルシュは家へと帰っていった。
もう今日は明日の準備をしよう。荷造りをして、そして早めに寝よう…
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次の日の朝、本当に王都から迎えがやってきた。まぁキルシュのだけど。
「…その、キルシュ様…そちらのお連れはどなたで有りましょうか…」
「私の恩人だ。王都に行きたいようだから連れて行くことにした。」
王都からの連れは困ったような様子だ。他の数名の連れと話し合った後、僕がついていくことを了承してくれた。
「カズト様…どうか王都でもお元気で。」
「村長さん、そちらこそお元気で。」
こうして、僕とキルシュは王都に向かって出発しだした。正直楽しみだ。
王国の中心部といえばたくさんの人で賑わっているのだろう。そして美味しいものとかもあるのだろう。異世界ライフを満喫できそうだ。




