第3番『サウンド•マジック』
……目が覚めると見覚えのある何もない空間にいた。
「やっほーカズトくん!きみが大好きな大女神だよー!」
出たなクソ女神!音楽が無い世界でどうやって音楽ライフを満喫すんだよ!
「それはごめん!私でも転移させる異世界は選べないんだ。でも、昔の人も1から音楽を作ったんだよ?」
まぁそれは確かにそうだけど。じゃあなんのために僕の前に現れた?
「それはね、あの世界の魔法について説明してあげようと思って!」
それはありがたい。じゃあお願いします。
「それじゃあいくわよ。あの世界は魔力を使って魔法を使う。魔力は人によって量と属性が違う。あの世界では魔法の属性は主に3つ、火と水と風よ。さらに、基本の3属性から派生して、水から派生した氷や火から派生した爆発などがある。その他にも稀に光や闇といった珍しい魔法もあるわ。」
へぇ、じゃあ僕の応援歌のやつも魔法?なんか不思議な力があるとか何とか。
「そうだわ。でもあの世界じゃ音楽は存在しない。いわばあなたの魔法は『音魔法』といったとこかしら。」
僕だけの特別な力かぁ。なんか異世界転移っぽいな。
「じゃあ私はここまで。たまに異世界について説明してあげるよ。本当にたまにだけどね。」
あぁ、ありがとな。
……朝の光が心地いいな、もう朝か。宿屋の部屋や、外の景色を見てここが異世界であること、そして昨日の出来事が全て夢じゃないことを理解させられる。
「少し、この世界の魔法について知りたいな。」
この世界で音楽以外に興味が湧いたものができた。
「え?魔法について知りたいって?でも私、剣士だしなぁ。」
まずはキルシュに聞いてみることにした。が、キルシュは剣士で、魔力量も少ないそうなので、魔法についてはあまり知れなかった。
「あぁでも知り合いの魔術師は紹介できる。ついてこい。」
なんだ、魔術師もこの村にいるのか。ならその人に魔法を教えてもらうとしよう。
……キルシュについてきたはいいものの、森の奥まで来ることになるとは…謎の建物が見えてきた。魔女の小屋みたいな建物だ。ヘン◯ルとグレー◯ルみたいだな。
「着いたぞ。ここが私の知り合いの大魔術師クレアさんの小屋だ。」
大魔術師?なんかすごい人なのだろうか。それでも会ってみたいものだ。決して粗相のないようにしよう…
「失礼します。お久しぶりですクレアさん。」
キルシュがこう呼びかけると、小さな少女が出てきた。
「ん?キルシュ、これはクレアさんのお孫さんかお子さんか何かか?」
キルシュは焦って俺を掴んできた。
「ばっ…寝言は寝て言え!この方が大魔術師クレアさんだぞ!」
僕は今、とてつもない間違いを犯したかも知れない。これから世話になる人を子供扱いしてしまった。僕の異世界生活は、一体どうなってしまうのだろうか。




