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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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噂のチーズケーキで


瘴気溜まりのお陰もあってか思っていたより早く

等価交換様の現金表示が2千万円を超えた。


今日位は少しだけ贅沢をしても良いだろう

そんな誘惑に勝てず甘味のお取り寄せメニューを開いていた。


最近何となく分かったのだけれど、

等価交換様から購入できる商品はネット検索で買える

所謂ネット通販商品だと思う。


こちらの世界の定義はどうなのか分からないが、

元の世界の商品の購入履歴から見てもそうに違いない。


要するにネットで購入できる品なら何でも手に入る、

そう思ったらお取り寄せしたくなったんだよね。


元の世界ではいつも検索するだけで、

偶に購入しようとすると何か月待ちだとかで

なかなか口に入らなかったあれやこれや、

等価交換様ならすぐに手に入り口に入るそう思ったら

我慢できなくなったと言うか、偶には良いでしょうだった。


私はたっぷりと時間をかけ厳選に厳選を重ね

一度食べてみたかったチーズケーキを選んだ。


下手したら年単位待ちと言う噂のチーズケーキ。


少しお高かったが迷う事無く等価交換様に注文した。


すると思った通りすぐに黒い渦が現れ私の目の前に置かれた。


想像していたとは言え何か月も待たなくては買えない

幻のチーズケーキが本当に簡単に手に入り

私はもう狂喜乱舞して等価交換様に感謝した。


これからは等価交換様の現金表示が1千万増えたら

今日の様に自分にご褒美を与えても良いよね?

その位は贅沢って言わないよね?

だって我ながら凄く頑張っていると思うから。


そうしてペットボトルのおいしい紅茶を飲みながら

チーズケーキを口に入れようとした瞬間

シルフが突然目の前に現れて私より先に

今まさに口にしようとしていたチーズケーキを口に入れていた。


私は口を開けたまま何も言えず固まってしまった。


「寝ていたんじゃないの?」


「美味しそうな匂いで目が覚めたの~」


「・・・・・・・」


「おかわり食べても良い~?」


私は思いっきりため息をついてから

そのチーズケーキを半分取り分けてシルフにあげた。


「半分こね」


「ありがとう~」


そう言いながら半分に分けたチーズケーキを両手で抱え

美味しそうに嬉しそうに食べる姿を見て

私まで嬉しくなりおもわず顔が綻んでしまった。


そうして一気に自分の分を食べ終わると

まだ食べている最中だった私の周りを

羽をパタパタと羽ばたかせて飛び回ったかと思うと

「おやすみ~」と言って体の中に戻って行った。


目覚めたんじゃないの?


すっかり目を覚ましたんだと思ったけどどうも違ったらしい。


気まぐれなシルフが突然現れ嵐の様に去って行ったが

一緒に美味しい物を食べた存在があったという事実に

何だか少しだけ元気を貰った気がした。


また次はいつ顔を出すのか分からないが

私はひとりじゃないそんな気がして

今からまた頑張る力を貰った様だった。



読んでくださりありがとうございます。

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