シルフとの出会い
亀の歩みの様に少しずつ浄化をしながら進んで来たが
もの凄い瘴気の気配に鳥肌が立った。
今いる場所から少し西に行った場所に瘴気溜まりがある様だった。
どうしようか悩んだが瘴気溜まりはお金になる
そう考えたら避けて通る理由が無くなったので
私は迷わず瘴気溜まりへと向かって歩いた。
辺りを浄化しながらゆっくりではなく既にズンズン進んでいた。
そして瘴気溜まりへと到着すると端からどんどん浄化して行く。
『浄化』をなるべく広範囲を意識して強く念じ続ける。
前の瘴気溜まりを浄化した時は
大分時間が掛かりとっても疲れた経験から
今回は無理をせず適度に休憩を挟むつもりでいたが
なんだか前回よりスムーズにグングンと瘴気が無くなって行く。
これも魔力循環の習得の成果か『浄化』のレベルが上がったお陰か
どちらにしても前回ほど苦戦はしなくて済みそうだった。
それでも時々休憩を挟みつつ浄化をして行き
辺りの瘴気もどんどん薄くなり魔物の姿も少なくなると
瘴気溜まりがあった中央付近に真っ黒な何かが居た。
魔物とは違う人型の羽の生えた妖精のような何か。
その大きさは私より大きく体長2m程はありそうか。
なぜか知らないがじっと私を見つめて来るその姿が
まるで助けを求めている様だったので
私は迷わずその何かに向かい『浄化』を念じた
念じ続けた。
すると壮絶な叫び声をあげながら体を捩っていたその何かは
つま先から徐々に黒味が薄くなって行き、
その姿がすっかりと元の色を取り戻す頃には
まるで生まれたての赤ん坊の様に小さくなっていて、
叫び声も静まり私は絶命したのかと思っていたけれど
そうでは無かったようで、
「私は風の精霊シルフなのです」と力のない声で名乗った。
びっくりした、この世界には精霊が存在するんだね。
まるでティンカーベルの様なシルフの言う事には、
気が付いた時にはすでに穢されていて
この場から動けずにいたと言う。
そして絶命する事無く己を穢す瘴気と戦っていたと。
要するにこの場に封印されていた様なものだったそうだ。
「助けてくれてありがとうなのです」
私にそうお礼を言ってから
「この森にはあと3体の精霊がいるのです
みんなを助けて欲しいのです」と言う。
「分かりました、出会えたなら助けますが、
いったい誰に封印されていたんですか?」
「分からないのです、でも私はお家にかえるのです」と、
小さくなった体で飛び立とうとするのを慌てて止めた。
「戻ってまた穢される心配は無いんですか?」
「・・・・・・・そうだったのです」
「そうですよ誰にどうして穢されたのか
その原因を掴み解決しないとダメじゃないのですか?」
「そうなのです」
シルフは少し考えていた様だったが
「ひとりじゃ無理なのです、それまで一緒に行くのです」
そう言って私の中に入って来た。
それはまるですうっと消える様に自然に私の体と同化したという感じ
「私は疲れたのです、少し休ませてほしいのです」
そう言うとシルフは眠った様だった。
私の中にあったシルフの気配が無くなったと言うか
同化する前に戻ったと言うか
シルフに出会った事がまるで夢の様だった。
それにしてもこんな場所にシルフを封印したのは誰だ?
いったい何のために?
そしてシルフの住処っていったい何処だ?
考えても何も答えが出そうになかった。
それでもシルフが私の中に居ても
私自身に何も変わった所など見当たらないのだから
今まで通り私の拠点となる場所を探して進むだけだ
そう決めて変わらずに範囲浄化を掛けながら進む事にした。
読んでくださりありがとうございます。




