第3章番外編 もしも『魔女の家』がバニーガールカフェだったら
今日は4/1、エイプリルフール。なので、突発的に思いついた番外編を投稿します。番外編なので、本編と比較して荒削り且つ、本編とは一切関係のないお話となっています。まだ、突貫&思いつきで書き連ねた代物なので、以下のことが発生、または発生している可能性があります。
・時間軸のガン無視
・作中描写との矛盾
・登場人物のキャラクター崩壊
・お色気要素
・風営法ガン無視
以上の事を踏まえて頂き、番外編をお楽しみください。
『魔女の家』……それはその名の通り、魔女が集う『交流の場』にして『憩いの場』。その店は紅茶の香りが店内を漂う、穏やかさと懐かしさを感じさせる木組みの喫茶店…………ではなかった。
「いらっしゃいませ、お客様! あーしは元気印の赤色バニー、『茜ちゃん』でーす! 今日はお客様を、素敵な夢の世界へご案内しちゃいまーす!」
そこは暖色の光を放つシャンデリアと、高級感溢れる絨毯が特徴的な空間。入店した者は皆、一流ホテルと錯覚してしまう場所だ。だが、店内に設けられたビリヤード台やダーツ、ルーレットが視界に入った瞬間、必ずしも『優雅』で『上品』なだけの空間ではないと誰もが理解する。先程入店した女性客もまた、赤髪のバニーガールに店内を案内される内に、この店がどう言ったコンセプトをしているのかを肌で感じていた。
「それではお客様、お食事にしますか? それとも……可愛いウサギさんと遊びますか?」
茜の言う通り、この店では飲食と遊戯が楽しめる。飲食スペースでは、黒髪眼鏡っ子なバニーガールと金髪ギャルのバニーガールが配膳をしているところだ。ドリンクも軽食も基本的には事前に用意された物で、保存魔法で鮮度も保たれているためある程度のクオリティは保証されている。手堅く楽しむのなら、食事だけして帰るのが賢い選択だろう。
だが…………
「あーしは…………お客様と遊びたいなー。ウサギちゃんは、とっても寂しがり屋なんですよ……?」
露出度の高いバニー服からこぼれ落ちそうな乳房を客の腕に押し当てつつ、瞳を仄かに潤ませながら、上目遣いで『おねだり』をする。茜の良好な発育に加え、磨き上げられたメイク、更には毎日鏡の前で鍛え抜かれた演技力が合わされば、たとえ相手が女性だろうと簡単に靡いてしまう。
「やった、楽しいゲームの時間だー! あーし、お姉さんとのゲームするの楽しみだなー♪」
客は茜からチップを購入し、ダーツコーナーへと赴いた。因みに、『魔女の家』はバニーガールカフェにしてアミューズメントカジノ。チップの購入はあれど、現金への換金は不可能だ。何せ此処は、『魔女達の健全な交流と憩いの場』なのだから。
「よーし! それじゃあ、ゲームスタート!」
この店のダーツコーナーは、勿論純粋にゲームを楽しむ事も可能だ。しかし、副次的な楽しみも欠かせない。具体的には、バニーガールがダーツを投げる瞬間だ。
「……………………」
接客中は笑顔を絶やさない元気印のバニーガールが、的を狙う僅かな間だけ、その表情を豹変させる。愛想を振り撒く可愛い愛玩動物から、歴戦の狙撃手へと早変わりするのだ。
「えいっ!」
そして何より……腕を振るった時に、揺れ動くたわわな果実。緩急の激しい表情と、変わらない豊満な発育。それはの波状攻撃により、一人、また一人と彼女の虜になってしまうのだ。
◆
バニーガールの接客相手は、当然ながら千差万別だ。中には学業やアルバイトで疲れた心を癒しに訪れる、魔女学園の生徒もいる。
「あ、また来てくれたんですね、『アディラお嬢様』!」
茜は『わざとらしく』、自分の胸を彼女に押し当てた。
「え、ええ…………偶には、こうした息抜きも必要ですもの。ところで、貴女のお友達は今日来ていないのかしら?」
「『蒼蘭ちゃん』の事ですか? あの子、今日は非番なんですよー。
だ、か、ら……今日は、あーしと沢山、いっぱい、楽しい事をしちゃお?」
胸の谷間からチップを取り出しながら、茜はリピーターの財閥令嬢におねだりをする。そう、敢えて、彼女は自分の発育をアピールする様な接客態度を取っているのだ。
それは何故か?
話は先日、蒼蘭がこの財閥令嬢に接客をした時にまで遡る。アディラ嬢は、ビリヤードを所望したのだ。
『そ、それじゃ、行きますよー』
見知った人間の接客、それも相手は財閥令嬢だ。しかも彼女は、バニーガール蒼蘭の『ある一点』に対して殺気を放っている。故にかなりの緊張感の中、蒼蘭はキューを構え、ビリヤード台に伏せる様に視線を低めて狙いを定めていた。だが、姿勢を低くした結果、彼女の豊満な乳房が台に押し当てられてしまったのだ。
『ふんっ!』
アディラはビリヤードの白球を弾き、台上に鎮座する特大サイズの球に命中させたのだ。
『痛ッ!な、何するの!?』
『あら、ごめんなさい。高得点が狙えそうな大玉があったものだから、つい当ててしまったわ』
『ぐぬぬぬぬぬ!』
と、こういった出来事があったのだ。
故に、茜が自分の発育を強調するような仕草をしているのは、その時の意趣返しに他ならない。
「次は、あーしの番ね。頑張っちゃうぞー♪」
明るく振る舞いながらも、手にしたキューに自分の乳房を乗せる様にして順番を待っていたり、
「今度は、アディラお嬢様の番っしょ! 『高得点』目指して、頑張れ、頑張れ♪」
小刻みに跳ねながら応援する事で、露出の多いバニー服の中で暴れ回る果実を見せつけたりしていたのだ。
(むぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!!)
アディラとて、見知った仲ならまだしも、普通の店員に意地悪するほどの悪役令嬢ではない。故に、茜のアピールによって生じた『モヤモヤ』は、心の内に秘めておくしかないのだ。茜はそんなご令嬢を見て、心の中で、そして『皮の中』でほくそ笑む。
尤も、『正体がバレてはいけない』という緊迫も同時に味わっているので、かなりドキドキの意趣返しではあるのだが。
◆
さて、この店には『特別更衣室』がある。店のオーナーと、ある店員しか知らない秘密の部屋。誰にもバレないこの部屋で、茜はバニーガールの服を脱ぐ。次にタイツを脱ぎ、ツインテールの髪を解き、茜は頸に手を伸ばした。
ジジジ…………ジジ…………
一糸纏わぬ女子高生の身体からは決して生じる筈のない、ジッパーの様な金属音が聞こえてくる。これが、特別更衣室の存在理由だ。茜の指が腰まで下ろされた後、再び首筋の後ろへ指をかける。
ベリベリ……ベリ……ベリ…………
茜の背中から現れたのは、腰まで伸びた黒髪の女性-クロニカ-だ。まだ幼さを残した顔立ちの茜や蒼蘭とは対照的な、大人びた顔立ちをした18歳の少女が、茜の身体を脱いでいる。そう、この少女が『魔女っ子スーツ』から着替えをする為の特別更衣室だ。
彼女は茜の身体を洋服の様に折りたたみ、今日の勤務と中身を失った、虚な瞳をする赤髪の少女の頭を優しく撫で、『お疲れ様』と頬に口付けをした。秘密のクローゼットに茜を仕舞った後は、クロニカが着替える番だ。
程なくして、ホールには新たなバニーガールが登場する。170cmの身長、すらりと伸びた手足、二重のまぶた、左目の泣きぼくろ、柔和な印象を見せる垂れ目、腰まで伸びた艶のある濡羽色の髪、そして茜や蒼蘭にも負けない程に良好な発育。それら全てが合わさる事で、絶妙なプロポーションを誇るバニーガールが誕生したのだ。オマケに、茜や蒼蘭の様に可愛さを武器にしたのではなく、大人びたかっこよさとミステリアスさを兼ね備えたバニーガールだ。黒を基調とした衣装も、セクシーさを強調する網タイツも、『時のバニーガール-クロニカ』の魅力を引き立たせている。
ホールに居た客は彼女の容姿にどよめき、彼女がポーカーのテーブルについた事で一層ざわめいた。何故なら、クロニカは客達の間では『凄腕のギャンブラー』とウワサされているからだ。今まさに、この店では滅多に姿を現さないレアな黒髪バニーを相手に、何人もの魔女が勝負を挑んでいる。
「ディーラーさん、3枚……いや、2枚チェンジでお願い」
この店のオーナーとこのテーブルのディーラーを兼任する、ブロンドヘアのバニーガール-ツバメ-に、クロニカはチップを払いカードの交換を依頼する。
既に交換を終えた対戦相手の手札には、スペードとクラブの7、ダイヤとクローバーの10が揃っていた。『ツーペア』、十分な勝算のある手札だ。互いにチップのレイズも終わり、
「コール」
二人の手札が開帳される。
「なッ…………!?」
クロニカの手札は全てハートのスートで揃えられていた。即ち『フラッシュ』、ツーペアよりも遥かに強力な役だ。因みに、対戦相手は知る由もないが、クロニカの捨てた手札は5のワンペアが狙える手札だった。しかし、敢えてクラブとスペードを捨て、ハートを揃える選択に出たのだ。
「さて、追加のチップを購入されますか、お客様?」
今の勝負で、客はチップを使い切った。
「そうね……もう1ゲームしたいから、購入させて」
客はチップを購入し、再びゲームが開始される。今度の手札は、クラブの4、5、6、7、そしてダイヤのキングだ。ここでキングを交換して、3か8が出れば『ストレート』、更にスートがクラブなら『ストレートフラッシュ』、文句無しに強力な役が完成する。
「ディーラーさん、2枚チェンジで」
今度はクロニカから交換する番なので、濡羽色のバニーガールは手札を捨て、ディーラーからカードを受け取った。タロット占いで鍛えられたカード捌きには、対戦相手はおろかギャラリーすら魅入られている。
「なら、私は1枚チェンジよ」
客の手札に来たのはハートの3、フラッシュは揃えられなかったが、これで3から7のストレートが揃った!
「ここは勝負に出させて貰うわ、オールインよ!」
客は、先程購入したチップを、全てこのゲームに注ぎ込んだ。
「なら私も……これでオールインよ」
クロニカは胸の谷間から、金色に輝くチップを取り出し、テーブルに投げ置いた。この店では1000円に付き1ptチップが10枚交換できるが、クロニカが賭けたのは10000ptのチップ、現金換算で100万円の超豪華チップだ。
互いにチップのレイズを終え、自信満々に客が手札を公開する……直前に、クロニカは口を開いた。
「ごめんなさい、お客様。クラブの8は貰っちゃったわ♪」
漆黒のバニーが滑らかな手つきで、自分の手札をテーブルに置く。ダイヤ、ハート、クラブの8、そしてジョーカーを合わせた『フォーカード』の役が完成していた。
「う、嘘ォッ!?」
「悪いけど、チップは全て頂きますわ♪」
自身の手札が完敗した事実に、客は当然『イカサマ』を考える。だが、クロニカがテーブルに着く場合、必ず新品のトランプを使用している。未開封シールを客が剥がし、トランプに仕掛けがない事を確認してから彼女はゲームを始めるのだ。なら、透視の魔法か? いや、クロニカは相手の手札を凝視する素振りを見せなかった。
客は目の前のバニーガールと目が合った。
穏やかそうな顔立ちをしつつも、何処かミステリアスな雰囲気を放つクロニカに、彼女の心はすっかり動かされてしまったのだ。
とは言え、蓋を開ければ単純な話。クロニカは大勢の前でバニーガール姿を晒した事で、客やスタッフからの熱烈な視線に当てられ、魔力活性化状態になっていたのだ。その状態で、時の魔女の身体となりポーカーをすれば、『未来予知』が普段の何倍もの精度になる、というカラクリだ。だからこそ、胸の谷間にチップを仕込み、それを敢えてギャラリー達に魅せる行動を取ったのだ。
具体的に言うと、クロニカの最初の手札は、ダイヤとハートの8、ダイヤとスペードの7、そしてジョーカーが存在した。最初からフルハウスが完成しており、定石であれば『交換しない』のが最善策だ。しかし、その場合は山札の一番上に存在する【クラブの8】が相手に渡ってしまう。フルハウスとストレートフラッシュでは、フルハウスの負けだ。故に、クロニカは敢えてフルハウスを崩し、クラブの8を手元に引き寄せた、と言う訳だ。
◆
営業時間後の客の居ないバーで、二人の少女が休憩していた。聖と炎華、このカフェのアルバイト店員だ。既に私服に着替え終わっており、後は家路に着くだけなのだが…………彼女達には細やかな楽しみが待っている。それはバーのカウンターに立ち、慣れた手つきでシェイカーを振るクロニカだ。時の魔女が出勤する時、彼女はバイト仲間にノンアルコールカクテルを作ってくれるのだ。
炎華には、グレナデンシロップとグレープフルーツジュースを混ぜた『シャーリーテンプル』を。聖には、オレンジジュースとパイナップルジュース、そして搾りたてのレモンの果汁を加えた『シンデレラ』を、それぞれ提供した。
「さぁ、どうぞ召し上がれ♪」
「ありがとうございます、クロニカさん!」
「ありがとう、クロ姉!」
「うふふ、どういたしまして」
「何かさ、クロ姉がシェイカー振ってるの、カッコいいよね!」
聖は、友人の言葉に強く頷いた。魅惑的な衣装に身を包んでいるにも関わらず、カクテルを作る彼女の表情と手際が、とてもクールに思えたのだ。
「ありがとう、二人とも。でも……面と向かって褒められると、少し照れてしまうわ……」
(かわいい)
(かわいい、あとメロい)
仄かに頬を染める濡羽色のバニーガールに、女子高生2人もまた引き込まれて行くのだった。
折角のエイプリルフールなので、ちょっぴり攻めた番外編に挑戦してみました! もしよろしければ、バニーガールカフェで働く世界線の茜ちゃんやクロニカさんへの感想をお待ちしております。
尚、この世界線では、こんな如何わしいお店にシスター14が子供達を連れてくるわけがないので、悪魔騒動の首謀者に関する手がかりが足りなくなるので詰みです。
次の更新ですが…元々本編の続きを金曜日に投稿する予定でしたので、何事も無ければ金曜日に、遅くとも日曜日には投稿の予定です。




