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「今なんて・・・?」
「だから、別にロボットでも良いんじゃない、って言ったの」
僕は目を疑った。
本当に目の前にいるのは、佐崎か?
でも、何度目を凝らしてみても、佐崎は佐崎だった。
目の前にいる佐崎は、いつものにこやかな佐崎でも、怒った佐崎でもない。
全てを投げ出したような・・・そんな表情をしていた。
「何だよ・・・ロボットなんかでいい分けないだろ!僕らは、そのために頑張ってきたんじゃないか!今更・・・そんなこと言うな!」
僕は佐崎につかみかかった。
だが、佐崎のほうが背が高く、力がある。
僕は一瞬で生徒会室の床に仰向けで倒れることになった。
「もう、どうでもいいんだ」
佐崎はそうつぶやいて、僕の横に脱力したように座り込む。
「何でそんなこと言うのよ?」
中田が佐崎をにらみつけた。
「どうでも良いから、どうでもいいんだよ」
佐崎はそういってけらけらと笑っていた。
「僕は・・・もう・・・どうでも・・・」
「見損なった!」
中田はそう言って、生徒会室のドアを勢いよくあけ、出て行った。
他の人たちも、無言で生徒会室を出て行く。
部屋には、仰向けに倒れている僕と、佐崎だけが残った。
「梶谷君も、早く出れば?」
佐崎が僕のことを「梶谷君」と呼んでいる。
「・・・何があったんだよ」
僕は天井を見つめて聞いた。
「何がって、何が?」
「・・・お父さんと会って、何かあったんだろ?」
起き上がり際に僕は聞く。
「・・・もう、親なんてどうでもいいんだ」
佐崎は吐き散らすように言った。
「どうでも良くなんかない。あんなに会うの楽しみにしてて、何言って・・・」
「もう、いいんだよ!」
そういう佐崎の目には涙が浮かんでいた。
「僕は・・・もう、生徒会長失格だから・・・」
佐崎はそういい残すと、生徒会室を出た。
いつもならみんなの笑顔があふれているはずの部屋に、僕一人が残された。
こういうとき、なんていってやればいいのかな?
僕は窓から空を見上げる。
あんなにうれしそうに僕に報告してくれたのに、こんなにぐれたようになって・・・
「佐崎も、逃げ出したくなったのかな?」
口に出してみた。
逃げ出してるのなら、教えてあげなきゃいけない。
佐崎に「逃げるな」って言ってやらなきゃいけない。
父さんが、僕に言ってくれたように。




