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僕は水でといだ米を釜に入れる。
江桜の話をしてから、田口の手際が悪くなってしまったので、僕は残っていた米を一人で全部といだ。
釜にふたをし、キャンプ場の管理棟にあるバーナータイプのコンロに火をつける。
これで完了だ。
することがなくなった僕は、他の人たちを見た。
具材を切り終えた如月が、和倉と一緒になべを覗き込んでいる。
和倉と如月は、校内でも有名なナイスカップルだ。
見ていて微笑ましいというか、和むというか・・・。
僕は楽しげな二人をじゅうぶん見た後、江桜と佐崎と中田を見た。
執行部第3ハイテンションズは、如月が抜けてもハイテンションで、中田がしかりつけているものの、全く聞いていないようだ。
ふと僕は田口を見る。
僕の横で、真っ赤な顔をしてうつむいている田口。
佐崎たちと一緒になって話せばいいのに。
僕は田口を見て微笑んだ。
「おいしい!さすが味付け担がしただけある!」
「って、佐崎は結局何もしてないのかよ・・・」
「してたよ、ちゃんと担のよく動く手を見て応援してたんだから」
「それを足手まといって言うんじゃないのか?」
「むぅ!」
漫才のような会話が僕と佐崎で行われている。
如月はくすくす笑っていて、江桜は全く口にカレーを運ぶ手を休めていない。
和倉は微笑む如月を見て嬉しそうだし、中田はカレーを頬張りながら携帯電話をいじっている。田口は・・・江桜に見とれていた。
「むぅ・・・瀬斗のバカ・・・」
「バカは佐崎だろ?」
「むぅ!」
「さっきから何だよ?むぅむぅむぅむぅ・・・」
「僕火星人だもん・・・」
「火星人ってむぅむぅ言うのか?」
「知らない」
「大体火星に人類がいるのか?」
「・・・」
佐崎が黙り込んだ。
僕はカレーを口の端につけながらすねる佐崎がおかしくて、声を出さずに笑っていた。




