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学校と僕。  作者: 奏良
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「で、今日はみんなでキャンプするのと同じように、自分たちで自炊しなければいけない」

田口がみんなを集めていった。

「メニューは当日と同じく、カレーライス。女子は具を切る、佐崎と和倉はルーを、僕と梶谷はご飯を炊く。何か質問は?」

きびきびとした口調でめがねを押し上げる田口。

例のごとく、佐崎が手を挙げた。

「ルーってインスタントですか?」

「あぁ」

「インスタントって体に悪いんじゃないんですか?」

「時間のことを考えると、香辛料から作っていたのでは確実にタイムオーバーだ。他のことが出来なくなる」

「納得しました」

佐崎は手を下ろした。

僕はそんな姿を見ていて、さっきの如月の言葉を思い出した。

「幼い頃に親が離婚してるの。母親と暮らしてるんだけど、父親が誰かも分からないんだって」

僕の瞳に写る佐崎は、全くそんな様子ではなかった。

はしゃぎまわる佐崎をみて、僕は反って不安だった。

「梶谷、僕たちも進めよう」

「あ・・・あぁ」

僕は田口の言葉で我に返った。

佐崎も、きっと自分なりの方法を見つけたんだ。

そう思ったら、やる気が増した。

自分を見つける。

僕は田口の後を追った。


「梶谷、手際いいじゃないか」

「まぁな」

僕は一人暮らしになってから自炊している。

米をとぐのは朝飯前だ。

「・・・」

不意に田口が黙り込む。

「田口?」

田口の視線の先には、江桜がいた。

「田口って・・・江桜のこと・・・」

僕がつぶやくと、田口は真っ赤になって否定する。

「違うからな!」

「・・・」

図星か。

僕のにやけ顔に、田口は真っ赤なままうつむく。

そっか。田口が江桜を・・・。

僕は正直な話、恋愛には興味ない。

「好」という感情に浸ったことがあまりないからだ。

今まで僕は他人と壁ばかり作ってきた。

そんな僕を本心から受け入れてくれたのは執行部だけだったからだ。

でも、そんな執行部の仲間が、恋というものを感じている。

僕もそんな仲間を受け入れたい。

「頑張れよ、田口」

「・・・」

僕は田口ににかっと笑いかけた。

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