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第5話 テスト

修正前の文章修正後の文章が混ざっていました。

すみません、修正しました!

翌日。


「よし、じゃあ順番に測定するから並べー」


 教室の教卓には水晶のようなものが置かれている。

 冒険者ギルドで使っているものと同じようだ。

 サフィニアがこれを初めて使ったとき、粉々に破壊してしまった。

 過去にも魔力が強すぎてヒビが入ったり割れたりしたことがあったらしいが、粉々に破壊されたのは史上初の出来事だったため、サフィニアは一気に有名になったのだ。


 やはりと言うべきか、ポールは測定が免除されていた。

 実力が知れ渡っているのもあるだろうが、魔力の流れを見ることができる魔視(マナ•サイト)で見れば水晶を破壊するほどの魔力量であることは一目瞭然だ。


 貴族も平民も関係ないとはいえ、平民であろう者たちは並ばずに様子を伺っていた。

 誰も並ばなくなったのを確認し、キョロキョロと辺りを見渡しながら歩き始める。

 まるで、「もうそろそろ並んでいいんだよね? ね?」と確認し合っているようだった。

 全員を観察するためサフィニアは一番最後に並ぶ。

 予想通り3人がBランク、1人がAランクの魔力量だった。

 ポールはSランクだろう。

 サフィニアはDランクに設定していた。入学式で調べた時に一番多かったからだ。

 これならば目立つこともないだろう。


 サフィニアの番になり、ゆっくりと左手を翳した。


 冒険者ギルドで試したときは魔力制限だけでも水晶を誤魔化せたが、同じ測定器とは限らないので今現在の魔力保有量も1/10000程度まで減らしている。

 それにとっておきの裏技も準備しておいたから大丈夫なはずだ。

 サフィニアは右手できゅっと拳を作る。


魔力量:4000(Dランク)

適性:氷、風


 サフィニアは浮かんだ結果を見つめた。


 水晶、異常なし。適正属性も、2つしか表示されていない。完全に水晶を騙せたようである。


 サフィニアは安堵してゆっくりと席に戻っていく。

 その右手の中指には見慣れないシルバーの指輪が光っていた。


「よし、全員測り終わったな。じゃあ次テストやるぞ」


(え????)


 サフィニアは机に向けていた視線をバッと勢いよくあげた。

 そんなこと言ってた? と右へ左へ目を動かして考えるが思い出せない。

 しかし学生にこれといった反応がないことから、事前連絡はあったと推測できた。


 サフィニアは魔力測定のことを考えすぎてそのあとの連絡を聞いていなかったので、おそらくその時に話していたのだろう。

 聞いていない、などと言ってもどうしようもないので大人しく受けるしかない。

 前から回ってくる用紙を緊張しながら受け取った。


「制限時間は今から1時間だ。始め!」


 サフィニアは用紙を捲る。

 テストの内容は大きく分けて2つ。

 魔法の基礎についてと専門職についてだ。


 サフィニアは精霊に魔法を教わったので、魔法の基礎など朝飯前だった。

 魔法陣の描き方、意味などを迷うことなく書き込んでいく。


 魔法陣は壁や床、空間などに描くもので、魔力を操作することで地面や空間などに展開する。

 その魔法陣を読み取り、精霊が力を貸すのである。

 とはいえ、精霊が魔法を発動するわけではない。

 彼らが貸すのは自然の力、流れである。

 例えば風属性の魔法陣を描いて発動させたら、彼らはそこに風を集めるだけだ。

 その後は精霊の知るところではない。魔法陣と魔力が合わなければ不発になるし、それが合ってもうまく操作できなければ魔法そのものが暴走してしまう。

 


 専門職の問題は攻撃型、防御型、支援・強化型、回復型からバランスよく出題されていた。

 サフィニアは事実上全属性、すべての魔法を使用することができるのだが……。

 さすがに支援と回復の魔法についてまでは分からなかった。

 他人の支援も、回復魔法も使ったことがない。

 わからないのは仕方ないので適当に埋めていくのだが。

 

(支援と回復に魔法陣って必要なの……?)


 支援や強化、回復は無属性魔法に分類されるはずだ。

 無属性魔法は基本的に魔法陣を必要とせず、自分の魔力操作のみによって発動させる。

 収納や鑑定も無属性なので魔法陣なしで使えるが、持続的に使用する場合は魔力を送り続けなければならないという欠点がある。

 魔法陣を使えば、魔法の維持を自動化できる。そのため、サフィニアは収納などに魔法陣を使用していた。

 

 もっとも、サフィニアが使う魔法の大半は、精霊たちと一緒に考えたものだ。

 実際に使ったことのない魔法は、そもそもイメージができない。イメージができなければ、魔法陣の描き方も分からなかった。

 

 テストのことを知っていたら対策を立てられたはずだった。

 サフィニアは学校にこそ通っていないが、ダフニーから教育を受けていた。頭が悪いわけではないし魔法に関しては自信があった。

 だからこそ分からない問題があることにもやもやした。

 

 サフィニアは唇をきつく結んだ。

 入学後に実力テストがあるのは当たり前の事だが、初等部や中等部に通っていないサフィニアには想定することが出来なかった。


(ダフニーさん、私……登校2日目にして挫けそうです。

卒業できなかったらごめんなさい)


 サフィニアは苦笑いをしているダフニーを思い浮かべながら謝った。

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