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ハーレム,俺の義妹が天才漫画家だった件  作者: 下級生


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第100話 夜襲3.0

皆さん、いつもこの作品を応援していただき、本当にありがとうございます。


100話を迎えましたので、ここで現在の状況についてお知らせします。


現在、FANBOXではすでに150話まで更新しています。


130話までは無料で閲覧できます。


先行して読みたい方は、よろしければ支援していただけると嬉しいです。


131話から150話までは、現在のところ支援者限定で閲覧可能となっています。


ただ、読者の皆さんはご安心ください。


小説家になろう側でも、今後も継続して順次公開していく予定です。


これからも楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。

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FANBOX:https://zhurenfei.fanbox.cc/



 涼介の言葉を聞いた鳳凰院紗織は、明らかに一瞬固まった。


「どうした?」


 その反応に気づいた涼介は、自分の考えに反対なのかと思った。


 まだ『魔法少女まどか☆マギカ』の全貌を紗織に見せたわけではない。


 市場で成功するかどうかも分からない段階で、あそこまで大きなことを口にすれば、傍から見れば無謀に思えても仕方がないだろう。


 紗織は会社の株式を25%保有する共同経営者だ。


 リスクを考え、意見する権利も当然ある。


「違うよ」


 ところが鳳凰院紗織は、ふっと笑った。


 肘を膝につき、頬杖をつく。


 その瞳をきらきらと輝かせながら、まっすぐ涼介を見つめてきた。


「さっきのことを言ってるあなた、すごく格好よかったから。ますます惚れちゃっただけ~」


「……」


 やっぱりこいつ、まともに会話する気がないだろ。


 真正面から美女にこんな目で見つめられれば、誰だって心臓くらい跳ねる。


 涼介は思わず視線を逸らした。


「まあ、あなたの好きにすればいいんじゃない? 代表取締役はあなたなんだし」


 紗織はそれ以上、涼介の方針に口を挟むつもりはないらしい。


「それより、この前話したギャルゲーの件なんだけど。制作が始まったら、原画担当を何人か借りたいんだよね。できれば妹ちゃんにも描いてほしいんだけど、いい?」


「構わない。ただし、シナリオは絶対に見せるな。それ以外は好きにしていい」


「どうして?」


 鳳凰院紗織には、その条件がいまひとつ理解できなかった。


 原画を担当するなら、先にシナリオを読んでおいたほうが、登場人物の性格や作品の雰囲気に合った絵を描きやすいはずだ。


「……シナリオを読ませると、書き直せって言われるから」


 涼介の口元が引きつった。


 自室の鍵は交換したばかりだ。


 もう凌乃に扉を蹴破られるのは勘弁してほしい。


「今度の作品は、特に結末を見られると面倒なことになる。だから、絶対に秘密にしてくれ」


「もう書き始めてるの?」


「ああ。完成版を渡せるのは年末くらいになると思う。今回はかなり文章量が多いからな。それと、全年齢向けだから、その手の準備はいらない」


「へえ、意外。学園ものなのに、そういうシーンは入れないんだ?」


 鳳凰院紗織の印象では、むしろ学園ものこそR18と相性がいい。


 彼女自身、そういった作品も何本か遊んだことがある。


 たとえば『School Days』のような作品だ。


 この手のジャンルは、意外と市場での人気も高い


 涼介は肩をすくめた。


 正直なところ、売上を考えなければ『Fate/stay night』の魔力供給シーンだって削ってしまっても構わなかった。


 だが今は、前作によってある程度の知名度とファンを獲得できている。


 次回作まで無理に市場へ迎合する必要はない。


「タイトルはもう決めてるの?」


「ああ。『CLANNAD』」


「……家族、って意味?」


「そう。今回のテーマは、家族と親子の絆、それから成長だ」


     ◇


 夕方が近づいたところで、涼介は鳳凰院紗織に別れを告げ、凌乃と一緒に帰宅した。


 夜は凌乃の勉強を見る必要がある。


 それだけの時間は、あらかじめ確保しておかなければならなかった。


 夕食を済ませると、涼介はいつもの場所に腰を下ろし、膝の上にノートを広げた。


 凌乃の勉強を見ながら、『魔法少女まどか☆マギカ』の続きを描き進めていく。


 創作に集中していると、時間が過ぎるのはあっという間だった。


「ねえ、終わったんだけど」


 耳元に不満そうな声が飛んできた。


「そこに置いといて。このページのネームが終わったら見るから」


 涼介はすぐには顔を上げず、ペンを走らせ続ける。


 高城凌乃は頬杖をつき、退屈そうにシャープペンを指先で弄び始めた。


 時折、ちらちらと涼介のほうを見る。


 何を描いているのかは知っている。


 そして――ものすごく見たい。


 だが涼介はその視線に気づいているのか、露骨に見えない角度でノートを広げていた。


 凌乃の位置からでは、端のほうがかろうじて見えるだけだ。


 もう第6話まで進んでるの?


 意外と速いじゃない。


 もっとも、あんな適当に線を引いただけみたいな絵なら、速いのも当然かもしれないが。


「……見たい」


 数日前に読んだ第3話。


 巴マミのあまりにも突然な死は、凌乃にかなりの衝撃を与えた。


 最初こそ怒り狂ったものの、落ち着いてしまえば、今度は続きが気になって仕方がない。


 巴マミの最期を目の当たりにした鹿目まどかと美樹さやかは、それでも契約を結び、魔法少女になるのだろうか。


 考えてみれば、自分だって魔法少女もののヒット作を2本も描いている。


 それでも――


 魔法少女という存在を、これほど明確な「命懸けの仕事」として描こうとは、一度も考えたことがなかった。


 凌乃にとって、それはまったく新しい発想だった。


 彼女はさりげなく座る位置をずらし、別の角度からノートの中身を覗こうとした。


 しかし、その瞬間。


 ぱたん。


 涼介がノートを閉じた。


 顔を上げる。


 視線がぶつかった。


「……」


 凌乃はまるで盗みを見咎められたような気まずさを覚え、慌てて目を逸らした。


「遅いんだけど。待ってたら眠くなってきた」


「早く見てよ。勉強終わったらゲームしたいんだから」


 下手な芝居だな。


 涼介はそう思ったが、たとえ凌乃が見たがっているとしても、ノートを渡すつもりはなかった。


 部屋の鍵を交換したばかりなのだ。


 この段階で続きを見せたら、また何かが壊されかねない。


 それなら全部完成してから、一気に読ませたほうがいい。


 その日は先に外出して、避難しておけば完璧だ。


 凌乃の視線がいまだにノートへ吸い寄せられていることに気づいた涼介は、いったん自分の部屋へ戻り、棚の上にノートを置いてから戻ってきた。


 それからようやく、凌乃の問題集を確認し始める。


 むかつく。


 いったい誰を警戒してるのよ!


 凌乃は不機嫌になった。


 べ、別にあいつが答え合わせしてる隙に、こっそりノートを読むつもりだったわけじゃないし。


 見せたくないなら別にいい。


 誰が読みたいなんて言ったのよ。


 10分ほどで、涼介は採点を終えた。


 間違いはかなり少ない。


 その結果には、涼介も素直に感心した。


「だいぶ戻ってきたな。正答率もかなり上がってる」


「当然でしょ。この程度なら、ちょっと本気を出せばすぐ理解できるんだから」


 褒められた凌乃は、さも当然だと言わんばかりに胸を張った。


 平然としているつもりなのだろうが、どう頑張っても口元が緩んでいる。


 少し褒めただけですぐ調子に乗るんだよな。


 涼介は思わず額を押さえた。


「その調子で続けろよ。次の学力テストは、もう少し期待してるから」


「そういえば半年前、次は100点を取るって俺に言ってたよな?」


「……っ」


 こいつ、そんな昔のことまで覚えてるの?


 凌乃は一気に恥ずかしくなった。


 あの頃は勢いで「次は絶対100点を取る」と豪語したものの、結局いまだに一度も達成していない。


「ふん! 見てなさいよ。今度こそ本当に取るから!」


 凌乃は腕を組み、不服そうに言い返した。


 絶対に見返してやる。


 こいつに馬鹿にされたままなんて、我慢できない!


     ◇


 深夜。


 勉強会が終わってから、すでに2時間ほど経っていた。


 高城凌乃は大きく伸びをして、満足そうに息を吐いた。


「これで全部回収かな。もう隠しCGもなさそう」


 自分で描いた絵だ。


 どのCGが使われているかは、当然すべて覚えている。


 エンディングのマークもすべて解放済みだった。


 これで『Fate/stay night』というゲームは、凌乃の中では完全攻略を迎えたことになる。


 押し入れを開け、服の山をどかす。


 その奥から、ゲームのパッケージがぎっしり詰まった段ボール箱を引っ張り出した。


 パソコンから取り出したディスクをケースへ戻し、大切に箱の中へ収める。


 名作を1本やり切った。


 その瞬間、凌乃の胸にぽっかりと穴が開いたような空虚さが残った。


 似た感覚は以前にもあった。


 『月魔女変身』を描いていた頃、大きな山場を描き切った直後にも感じたことがある。


 熱中できるものが突然なくなると、そのあとの穏やかな時間が、妙に落ち着かないのだ。


 この空白を埋める方法を、凌乃はよく知っている。


 次に夢中になれるものを見つければいい。


 段ボール箱の中を探る。


 漫画。


 ゲーム。


 アニメのディスク。


 だが、どれを見てもいまひとつ食指が動かなかった。


 『Fate/stay night』を遊び終えた直後では、どれも物足りなく感じてしまう。


「このまま寝る気にもならないな……」


 凌乃は箱を押し入れへ戻し、ベッドに横になった。


 しかし、いくら目を閉じようとしても眠れない。


 そのとき――


 ふと、あることを思い出した。


 凌乃はむくりと起き上がる。


「そういえば……あいつ、もう寝てるんじゃない?」


 時計を見る。


 すでに0時を回っていた。


「そこまで私に見せたくないなら……逆に絶対見てやる」


 こっそり借りて、読んだあと元の場所へ戻せばいい。


 そうすればバレない。


 凌乃は音を立てないよう慎重に部屋の扉を開けた。


 顔だけを廊下へ出し、向かいにある涼介の部屋を見る。


 扉の下の隙間から、明かりは漏れていない。


 自分の部屋の扉をそっと閉じる。


 そして涼介の部屋の前まで忍び足で移動し、ゆっくりとドアノブへ手を掛けた。


 慎重に捻る。


 カチャ――


「よしっ……鍵、掛けてない!」


もう1つ皆さんにお知らせがあります。


本作はすでに完結まで書き終えています。


FANBOXでは、今週中に最終話まで公開する予定です。


先行して読みたい方は、ぜひこちらをチェックしていただけると嬉しいです。

https://zhurenfei.fanbox.cc/

新作のほうも現在執筆中です。


8月27日に、50話分を一挙公開する予定です。


FANBOX支援してくださっている読者の皆さんは、それより先に読むことができます。

いつも応援していただき、本当にありがとうございます。

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