帰還
二度目の野営を終え、僕たちは三日目の朝から町へ向かった。
神鳥の手がかりは得られなかった。
それでも予定どおり進み、日が沈む前には冒険者ギルドへ戻ることができた。
「金色の羽根は、神鳥のものだと断定できなかった」
受付で、グレンさんが調査結果を報告する。
「発見地点にも、大型の鳥型魔物が降りた痕跡はない。残っていた魔力も薄すぎて追跡できなかった」
「承知しました。神鳥との関連は確認できなかった、という結果で受理します。依頼は達成です」
僕も、自分で調べた羽根や爪痕について報告した。
けれど、神鳥へ結びつくものは何もなかった。
ギルドを出ると、グレンさんが僕たちを振り返った。
「神鳥の調査は空振りだった。だが、今回の目的はそれだけじゃない」
「六人で問題なく動けるか、ですよね」
「ああ。移動、野営、捕獲、撤退。どれも大きな問題はなかった」
レオンさんが僕を見る。
「雷鳴ホロホロ鳥のときも、合図を待って動けていた」
「食事もよかったわ」
ヴィオラさんが小さくうなずく。
「干し肉だけの遠征に戻らずに済みそうね」
「そこは重要だ!」
グレンさんが力強く言った。
「料理だけではありませんよ」
セシルさんが笑う。
「テオさんが加わっても、私たちの連携は崩れませんでした」
「六人での遠征に問題はない」
グレンさんが僕の肩を叩いた。
「次からも、この形で行くぞ」
「はい!」
新本店へ戻ると、まだ営業中だった。
客席は埋まり、厨房からは油の音が絶えず聞こえている。
「テオさん!」
僕を見つけたリリカさんが、厨房から駆けてきた。
「おかえりなさい! ちゃんと三日で帰ってきましたね!」
「ただいま戻りました。店は大丈夫でしたか?」
「もちろんです!」
リリカさんが胸を張る。
「本店は私たち、町の支店はコレットさんたちが守りました。テオさんがいなくても、三日くらいなら任せてください!」
「ありがとうございます」
僕がいない間も、店は変わらず動いていた。
厨房では、新しく入った料理人たちが次々とフライドチキンを揚げている。
「テオ!」
後ろからグレンさんが声を上げた。
「遠征帰りの六人分、何か食わせてくれ!」
「まずは注文してください!」
「六人分の《極み》だ!」
「今から六人分も作れるわけないでしょう!」
グレンさんたちは笑いながら、空いている席へ向かった。




