工房
工房を建て始めてから、二週間が過ぎた。
その間、オルドさんとキアラさんは冷凍設備の設計を進めていた。
僕とコレットは、麦羽鶏や大型の鳥型魔物の大きさを伝える。キアラさんが必要な設備を増やすたび、リリカさんが費用を確認した。
「この装置もいる!」
「それはいくらですか?」
「まだ分かんない!」
「分かってから頼んでください!」
王都にいるオルドさんの弟子たちにも、測定器や試作装置の部品を作ってもらっている。
工房ができるまでに、進められることは進めていた。
そして今日。
「完成したぞ!」
大工の親方から知らせを受け、僕たちは町外れの土地へ向かった。
ガラガラガラッ!
馬車を降りると、何もなかった場所に大きな建物が立っていた。
「でかっ!」
キアラさんが工房へ走る。
ダダダダッ!
大工さんが、荷車も通れる両開きの扉を開けた。
ギギギギッ!
中には、今の店が丸ごと入りそうな空間が広がっていた。天井も高く、大きな試作装置を置いても余裕がある。
「本当に工房だけで、店より大きくなりましたね」
「でも、急速凍結室を作ったらすぐ埋まるよ!」
オルドさんは床と壁を確認し、満足そうにひげを触った。
「これなら、大型の試作もできるじゃろう」
「限界試験も?」
「いきなり限界まで動かすでない!」
そのとき、街道から何台もの荷馬車が近づいてきた。
ガラガラガラガラッ!
荷台には金属の筒や大きな箱、見たことのない部品が山ほど積まれている。
「来たー! 王都から送ってもらった試作装置!」
ガチャガチャッ!
ゴトンッ!
完成したばかりの工房へ、荷物が次々と運び込まれていく。
大工の親方が、急速に埋まっていく床を見た。
「さっき完成したばかりなんですが」
「今日から使えるってことでしょ!」
「待たんか、キアラ! まず配置を決めるのじゃ!」
オルドさんが止める前に、キアラさんは一番大きな箱の留め具を外した。
ガチャン!
中から出てきたのは、金属の板で囲まれた小さな部屋だった。
「これが急速凍結室ですか?」
「まだ試作じゃ。まずは冷気の強さと流れを調べる」
「では、明日、実験に使う麦羽鶏を僕が用意します」
「一羽では足りんぞ。肉の厚さや置き方を変えて試すのじゃ」
「分かりました。何羽か仕込んでおきます」
キアラさんが試作装置の扉を開いた。
ガコンッ!
「一羽丸ごと入れる実験もやろ!」
「最初から大型実験を増やすでない!」




