姉妹
それまでの二人は、とても仲のいい、近所でも評判になるくらいに仲の良い姉妹だった。双子ではないがとてもよく似ているし、行動もよく似ていた。そして二人とも姉妹思いだった。
「私がすべてを奪った、それでいいだろう?この豚め!!姉は孤独だ、昔は逆だったが今や姉の友人をすべて奪った」
仮面の女が言葉を遮るが、サノンはかまわず続けた。
10歳を過ぎたあたりから、私は自分の未熟さに気づきはじめた。それは身体能力も、知能も、そして人を思いやる気持ちさえも。両親もどこかでその差を認知して、受け入れ始めていたし、私自身もそうだった。けれど、たった一つのことが亀裂になった。私は、一人の男の人を好きになったの。とても愛らしい人で、そして妹よりも人を思いやる人だった。自分がいくら損をしても耐え、ただ、彼は病弱だった。私は、彼に気に入られ、彼に尽くそうとして、そのためなら何でもしようと思った。そんな時だった。
「その話はよせ、まるで私が悪物かのように……」
どちらが悪いなんて話はないのかもしれない。だって、彼女から見れば先に好きになったのは自分だというのだから。私は、自分が遠慮している間に、二人が恋仲になっていることを周囲から聞かされたわ。今まで、妹になら何でも分け与えるし、妹自分より優れているから、きっとすべてを分かち合えるとおもっていた、けれど、違った。愛する人の大切な時間、彼の思い描いていた世界、私は、それを独り占めしたいと思った。―それがどんな方法でも―私は、そして、今考えれば、魔が差したのね。
「フン!!」
「キャア!!!」
突然、仮面の女が手の中で何かをもみこむむようなしぐさをした。そしてそれは、ところどころ姿を現すのをみると糸のようなものであるらしかった。
「気の糸をねっているのか」
「フン」
特いげに笑う、それはサーベル状の形になった。
「私はこれをムチのようにもサーベルのようにもできる、彼女が私を悪魔にした、信じていたのに、信頼していたのにすべてをうらぎった」
「裏切ってもいいほどに、信頼しあっていたわよね」
そうサノンが語ると、仮面の女はサーベルをふりあげてしならせ、サノンをぶった。
「本当に裏切る奴がいるか!この卑怯者め!!信頼の意味をはき違えるな!!」
「恋人をとられただけだろう?」
クレンが口をはさむ。
「それだけじゃない!!それだけじゃ、この女は私の全ての不幸の元凶だ、しかし……」
クククと、仮面で隠れていない口元で女は笑う。
「私の真の姿に気づかせてくれたともいえる」




