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予言

「少なくとも予言されていたんだ、俺が、クレンに倒されるということは」

 クノハは、立ち上がり、生善の背中をさすった。


 一方、クレンは首輪の巻き付いた女と仮面の女と向き合ってにらみ合っていた。

「とにかく、あんたはこいつと戦って、コイツにかったら一人開放してあげる、その次は私の番よ」

「戦うって、何のために?」

「何のためにって、あなた強情じゃない、馬鹿な真似してでも私の言う事をきかないでしょう?」

「そのあんたの目的ってやつは?」

「あなたに、力をつかってほしいのよ“カルマイーター”そして“私のために”」

「僕はそんなにやすやすと退魔の力を使わない」

「“あらどうして?人を助ける英雄ときいたわよ?”」

「どうして、姿を隠している人間になんか」

 クレンは、目を背けるようにしてはきすてた。仮面の女は両手をひろげ疑問をジェスチャーで伝える。

「私の正体に気づいているのでしょう?わからないふりをしているのね?」

「あなたがその人だとして、なぜ僕に直接お願いをしない?」

「私のためよ」

「??」

「とにかく、私のとっても大好きなお姉ちゃんと戦ってもらう。負けたら素直にいうこときくのよ、いいわね」

 クレンは、正面の首輪をつけた女性をみる。件の悪霊がよだれをたらし、爪を伸ばし、髪を振り乱している、その形相は恐ろしいものでよくみると体のあちこちにあるつぎはぎが、不気味さを際立てている。

「ただの、悪霊の憑依にすぎない」

「そうかしら、彼女はカルマテイカーよ、それに、“ただの悪霊”じゃない、私たちがつくったのだから」

 仮面の女が後ろへ歩いていく。それと同時に、首輪の女が前にとびだしてきた。それも獣のように、とびかかるようにして。

「グルルルル!!!」

「くっ」

(どういうことだ?身体能力さえ補助する悪霊だなんて、相当力が強いのか?)

 クレンは、頭の中で情報を思い出そうとする。だが退魔師をやめたのはずいぶん前だ、そんなこと、何も……思い出せない。それにイレギュラーが多すぎる。イレギュラーといえば、クノハ。

「はっ……」

 クレンは、一度助けたダレスという男を信用したせいか、クノハに連絡もいれずに家を出てきてしまったことを思い出す。

「まずい、なんで……」

「“考え事”かい?ヒーローちゃんよお!!」

 声色がほとんど男のようにかわり、目の色が赤くなった首輪の女が、クレンにとびかかり、クレンは生身の人間を傷つけるわけにもいかず、その斬撃をなんとか、腕で防ぐ防戦一方だった。

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