案内者
ダレスについていくと、歓楽街をすぎて薄暗い裏通りへと案内され徐々に遠くへいく。クレンは、覚悟はできていた。何がでようと、裏があろうとそんなことは関係ない。そして父の教えも手伝ってこの男の行く末を見なければならないと思った。その教えとは
「恩を返されるときはありがたくうけとれ、それがどんな形であれ」
ダレスの事は確かに一度傷つけたが、確かにその傷から救った、ダレスが何を思っているか見極める必要があった。
「すまなかったな」
ふと、チェーン店でもないような小さなコンビニのすぐそばを通りかかったとき、ダレスはいった。寒そうな頭をかきながら、ばつが悪そうにそっぽを向きながらだったが。
「何が?」
「いや、お前の兄さん、デゲスさんから聞いてたんだ、お前は暴力的で人でなしのクズだって、だから遠慮なく戦い強くなったお前の姿をみせろと、俺もデゲスさんに認めてもらいたかったから、何の疑いもなくお前をおそった」
「どうだった?」
「フッ、それはお前が一番わかっているだろう?」
ダレスは、ふりかえりクレンの肩をたたいていった。
「お前はいい奴だよ、力を見せびらかさないし、俺なんかにも同情してくれた、お前自身はとてもいい奴だ、ただ運が悪いだけさ、この世はそういう人間ばかりじゃない、そういう人間に利用されるほど、運が悪いだけ……」
スッと意味ありげに、ダレスは体を移動させた。その後ろに、ある二人の女性がたっていた。仮面をつけた女性と、クレンが夢で見たあの委員長似の女性。
「クレン……きたわね」
仮面をつけた女性がつぶやく、だがその言葉は、声色が奇妙に変化していた。機械音で加工されたような声で、おそらくマスクにそうした細工がなされているのだろうと思えた。しかしそれよりなにより目に入ったのは、彼女ら二人の奥で、二つの部屋に隔離されている男女の姿。暗くてよくみえなかったが、クレンは気によって、あるいはそもそもよく知ったもののだったからだろうがそれが誰か直ぐにわかった。
「カノンとセイヤ……」
徐々に夜の薄明かりに目がなれて、何があるかわかってきた。コンテナのような廃屋が二つ、そこに別々に二人、セイヤとカノンらは二人とも縄で縛られている。
「始めましょう、パーティを」
クレンが叫ぼうとする。目の前の自体は、自分ひとりじゃ解決できないと思った、だがそのクレンの真正面に巨大な、いつかみた悪霊が姿をあらわした。仮面をつけていない女性がもつ箱、そこから紐の用なものがたれ下がり徐々に自律して浮遊する風船にぶらさがる糸のようになり、悪霊がその先端から姿をだす。
「大声をだせば、あの二人とも、コロス……」




