表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/141

決戦前夜

 金曜日の夜、クレンは退魔師の道具を蔵からだした。退魔札やら、式神、使えるかわからないいくつかの道具、それでもないよりはましだ。風呂に入り、眠ろうとした瞬間、非通知で着信があった、なぜだか予感がして電話にでる。

「はい」

「俺だ、ダレスだ」

「……誰だっけ」

「お前に助けてもらった奴だよ、覚えてないか?」

「……冗談だ、どうして俺の電話番号を?」

「すまない、控えておいたんだ」

「で、何の用だ?」

 あって話そうといわれたので、しぶしぶクレンは呼ばれた場所に向かうことにした。疑っていないわけではないが、彼は以前の件でこりたしお礼がしたいだけだというので、近くのファミレスで待ち合わせをすることにした。

「やあ、こっちだ」

 ファミレス前で手を振られたが一瞬誰だかわからなかった。なにせ坊主頭になっていたからだ。

「あんた……変わったな」

「いや、どうかな」

 クレンがなぜ違和感をもったか気づくと、恥ずかしそうに頭をかきながらダレスは下をむいて鼻をかいた。

 ファミレスに入り、コーヒーやら小さめのパンケーキだのを頼んで、クレンは相手の出方をうかがった。しかし彼は水をすするとすぐさま本題をもちかけてきた。

「やつらの拠点に興味はないか?」

「なんだって?」

「やつらさ、お前が今おっている姉妹の」

「……」

 詳しく話をきくと、どうやらこの男はとクレンの追っている女とは同じ“カルマテイカー”組織の仲間だが、違う派閥で動いているらしい。近頃内部闘争が激しく、そのどさくさに紛れてこの男は、クレンをつけ狙う彼らの拠点の情報を手に入れたといっていた。

「といってもな、どうやってお前を信用すればいいんだか」

「じゃあ、この手紙をみてみな」

 そういうと男はある紙をてわたしてきた。粗雑にたたまれた紙で、単なるメモ用紙だった。その紙をうけとると、なぜかそれを開く前から、クレンはなにかなつかしさを感じていた。

《パリパリ》

 紙をめくる。すると、徐々にクレンの予想は確信にかわっていく。この筆跡、そして、何よりも感じられるこの気。やさしい、草原で感じる風のようなさわやかな気。今でもそれは変わりなかった。

「……兄さん」

「俺の上司はお前の兄だ、お前を襲ったのだって、ただお前の今の状態を確認するためだ、初めから傷つけるつもりはなかったんだ」

 クレンは、しばらくメモをみつめていたが、やがて決意したようにたちあがり、メモをくしゃくしゃにして、男にいった。

「案内しろ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ