不穏
廊下をいくクレン、まさか関係があるとは思っていなかったし、今の今まで行動に移せずにいた。だが度重なる出来事で、そうも言ってられなくなってきたのだ。もし、本当に彼女が関係しているのなら、ここですべてを終わらせたかった。ガラリと教室のドアをひらく、少女は背を向けて夕日に照らされてまっていた。
「おまたせ」
クレンが声をかけると、ゆっくりと振り返る。その様子ひとつで絵になりそうだった。
「委員長」
そう、そこにまっていたのは委員長のシノメだった。
「ううん、まってないよ」
委員長はにっこりとわらった。まるで隠し事や、やましい事など何もないように。
「ここに呼んだのはね、委員長、最近僕の周りで起きていることを相談しようと思って」
「……そうなんだ、別に私は、いつだって話をきくよ、それに今度、心霊の関係で相談するし、なんていったって君は、昔からヒーローだったからね」
「やめてよ、その話は」
「え?でも、本当じゃない、退魔師の身分を隠そうともせず、誰もがクレンちゃんだとわかっているのに、無償の人助けをしていた、仮面の意味はないけれど、あれこそヒーローの姿よ」
「まあ、なつかしいね」
クレンは、あまり掘り下げられたくなかったが、自分のする話もばかばかしいと思っていたので、委員長の話をぼんやりと聞き、まずは間や雰囲気、ノリを合わせようと考えた。
「委員長も昔から、人の相談にのったり、手助けしてたりしたよね、頼れる存在でさ」
「……ええ、ありがとう」
シノメの返答がおくれ、いつもと違う感じをうけたが、そのまま二、三話をしたら大分うちとけてきたので、クレンはいよいよ本題に入った。
「実はね、最近とある事件に巻き込まれて、その時にであった人が、女性が、君にそっくりだったんだ」
「え??」
目を丸くする委員長に少し罪悪感が芽生えた。
「僕も怒られたばかりなんだ、自分で問題を抱えて、何も人に相談したりせず、だから、それに彼女が委員長だって思っているわけじゃない、考えられるのは、姉妹とか……」
それを言った瞬間、委員長の顔がくもり、うつむいた。そして一度窓のほうをむき
こちらに振り返るとその曇りは晴れ、そして言い放った。
「私に姉なんていない、勘違いじゃないかな?」
すがすがしいまでに言い切ったので、クレンはあっけにとられていると、教室のドアが開く音がした。
「レンちゃんさっきはいいすぎた、ごめんね……」
カノンが教室に入ってきたので、この状況に何とも言えない気まずさを感じるクレン。
「えっと……」
委員長が気まずそうにする。
「あ、出直してくる……」
カノンは走って行ってしまった。




