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後悔

 クレンが目を覚ますと、術をクレンが教えた通りにおえて、喜ぶどころか、泣いていているカノンがいた。

「幽霊と接触なんてするんじゃなかった」

 クレンはその出来事から、カノンに罪悪感を感じていた。それにカノンの身に何かあったわけではなかったが、怖がらせてしまったことも申し訳なかった。サラリーマンの幽霊は、ひさびさに体がつかえたので調子にのって子供を怖がらせてしまったと反省していた。それで、どうしていいかわからず、子供だったクレンは、その幽霊の言い分をまた、カノンに伝えてしまった。だがカノンは泣くばかりだった。

(あの時、幽霊をかばうべきじゃなかったんだ……)

一か月近く口をきいてくれなかった。自分を過信していた。親にも怒られたし、

カノンの親にも、やめてくれといわれた。一番反省した。クレンの中には、カノンを巻き込むことの恐れとその時の後悔がずっとうずまいていた。

「レンちゃんは昔ヒーローだった、仮面をつけて何でも人を助けてた、人が困っていたり幽霊になやまされていたり、探し物をしている時に退魔の力、霊力をつかって、人や幽霊をやたらめったらたすけてた。だれもがクレンちゃんだとわかっていたけど、クレンちゃんのしてくれたことをいつしか当たり前だと思うようになって……それであなたは、その重さに耐えられなくなったのよ」

「いや、そんなこと……」

 その様子にクレンがまた何かを抱えこんで、一人で解決しようとして、誰も頼らないつもりなのだと悟ったカノンは、咄嗟にクレンの本心を知ろうと、思わぬ言葉が口をついてでた。

「本当は!!いい顔をしたいだけなんでしょう!!それで、ちやほやされて、自分の顔は別だって、二つの顔があるヒーローだって、仮面をつけているからって昔みたいに、でも本当は無理しているのしっているわ。かっこつけるために無理をしているの?ただ、かっこつけるために、それとも優秀な退魔師のプライドだったの?」

「いや……コンプレックスだよ」

「は?」

「自分にコンプレックスをかかえてた、そのために退魔の面を使い、自分の姿を隠し、別人格を演じていたんだ、でもおまえのいうとおり、にげていたのかもな、自分の無力さを隠すために、でも今からでも遅くないと……」

「無力って、どこが」

「俺は、カノン、君を泣かせてしまったことがある」

 クレンのまっすぐな瞳がカノンを見つめる、カノンは忘れていた。

「もしかして、あの時のことまだ……」

衝撃で目を丸くして、しばし沈黙を保った後、翻りさっていくカノン。


 クレンはしばらく空を見つめていたがある人と待ち合わせの約束をしていたことを思い出し、教室へといそいだ。

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