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不穏、ヨギ。

 夕食を食べた後、遅かったので、その後解散し、セイヤとクレンは通話でやり取りをすることにした。

「そうか……父さんが」

「やっぱ、隠し事されてたのが気になるか?だがもう、これ以上お前が抱える必要は……」

「いや、どう考えればいいかわからないだけだ、今まで自分の選択の一切を自分の自由にしてくれた親父が、ほとんど強要するみたいな事をすることはなかった」

「確かに、お前からすれば、退魔の面が残っているということは、お前の選択肢を残している、というより……ほとんどお前が戻ってくるという事を決めつけているような……」

「退魔の面は、使用者がいれば、時折使うことと、シンクロすることで法力が制御され、魔物を引き寄せる力が収まる、親父がそのことをどうとらえていたか、どう考えればいいか」

「……」

 二人の間に決まずい静寂が流れた。クレンは、気を使われていることを察して思考をめぐらせる、言葉をつむぐ。

「な、なあ、たしかにお前がみた霊は悪霊だったが、霊だったことにはかわりない、確かに気を付けてほしいが、お前にはいつも助けられているんだ、今回の事もきにするなよ、セイヤ」

 こういうとき、気を使われることに気を使うのは、クレンの繊細さの表れだと、セイヤはよくしっていた。だからこそ、かける言葉が見つからなかった。

「クレン、すまない……」


 早朝の校舎に、人影がうごめく。大人の女の影で、セイヤがかつてみた幽霊の姿だった。ゆらり、ゆらりと影から姿を現し、それが和服を着た女性である事がわかってくる。その背後に、音もなく人影が近づく。

「ヨギ」

「!!」

 亡霊が背後の気配におどろいたように、振り返る。それは奇妙な光景だった。

「いたのね……シノメ」

「様をつけろといっているだろう?」

 そういって、シノメは何か箱のようなものを抱えていた。その箱は古さを感じさせ、ところどころ朽ちかけていて、箱の表には“封”とかかれている。

「あなたを見つけた時はうれしかったのよ、なにせ、あなたの呪いは《常識》をこえてしまった、婚約をしていた恋人に新しい思い人をみつけて裏切られ殺されたあなたは、その一族を七代殺そうとした、結局あなたは七代という呪いの規則性を無視して、六代でその呪いを終えてしまった、あなたは呪う対象と己の呪いの行き場を失い、不幸を振りまく呪物と一体となり、封印されていた」

「あなたが札をとり、封印を開き、新たな命をふきこんでいることには感謝しているわ……シノメ……様」

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