遭遇
「なんやあらたまって……」
(この退魔師のガキ、しばらく姿みんようになったとおもったら、なんでウチにちょっかいかけにきたんや)
スキンヘッドにくちひげをたくわえた。眉毛の薄い、いかにもな人相の男。バドヌは内心そう思っていた。だが平静を装う。かつて退魔師の、それもクレンの父に痛い目を見せられてから何かと手伝いをさせられたこともあったがそれも昔の話。このガキが知るはずがないと思っていた。
「若い姉妹、若い女性に最近ものをうったことは?」
「いや、そんな子らがうちの店にくるわけないだろう、そもそも客の情報を渡す道理もねえ、こんな街はずれギリギリの危ないとこになあ」
「呪物ばかり買うそうだ、お得意様専用だろう?そういうのは」
クレンは男に手をかざす。
「な、何だあ!いきなり、やんのか?」
「いや……気をみているだけだ、あんたと父さんは、昔何かと関わりがあったときいている、俺の仕事もしっているだろう」
「退魔師だろう、それがどうかしたのか」
ふう、とため息をつくクレン。これで、父と昨今の騒動の直接の原因が父ではないことがわかった。そこまで疑っているわけではなかったが、もうひとつカマをかけようと思った。
「その姉妹が父さんの関係者だといったら?それでも情報をはかないか」
「な、何?またやっかいごとを持ち込もうとしたとか?」
「やっぱりしっているんだな?」
「いや、そんな事は、いや、お前そもそも何しにきたんだよ、冷やかしなら帰ってくれ、もし本当に生善と関係があるならちょ、直接あいつがくればいいだろう」
クレンはしめた。と思った。子供のころよく父親が、あんな男になってはいけないとこのバドヌの話をしたのだ。そしてその話のなかで、バドヌは父を恐れていることがよくわかった。おかげでカマをかけられた。夢の中の、あの姉妹はここに出入りしている。
「はあ……」
クレンは男に伸ばしていた手のひらをポケットにしまって、めをつぶって頭をふっていった。
「わかったよ、ここには用がない、今度は父さんをつれてくる」
ここで事を荒立てる必要はあまりない、クレンはクノハの力もかり、この店を張り込むことにきめた。そして休日を使いその場にはりこんでいた。その土日はほとんど収穫がなかったが、翌々週の土曜、クノハから連絡がはいった。その日は部活の練習にいっていたが、用事があるといいすぐに支度をし、その場にかけつけた。
「クノハ!!見つけたか」
「はい、クレン様!」




