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調査

 夜、またも一人、いまだ意識をとりもどさない男―ダレス―の枕もとに座りまたも瞑想次元へと入る。確証はないが、確かにその力を使えているように思う。それならば……と、クレンはいつのまにか生善より早く問題を解決する決意を固めていた。もう二度と、あんな危険な目に合わせたくない。

「よう、クレンちゃん」

 次元に入ると、意地の悪い笑みをうかべ、ダレスがあぐらをかいて座っている。

「お前、一体だれのためにそんなに躍起になって調べ事してるんだ」

「別にいいだろ、そんなの」

 少しふてくされながら、クレンは男の前で座禅をくんだ。

「今日は何をしりたいんだ?」

 やけに上機嫌なダレス。

「ある女性について知りたい、蔵に入ろうとしたし、多分壺をおいて言った人間と同一人物だ、きっと泥棒……」

「ふん、周囲の人間や助けようとしている人間がお前を裏切ったり隠し事をしていることを考えずに、自分からそうやって、勝手にしゃしゃりでていく、周囲を信用していないのか、それともおせっかい焼きなのか」

「……」

「だいたい、お前、自分の周囲で突然巻き起こっているいくつものトラブルに何らかの因果関係を見出さないのか?きっと周囲の人間が秘密を握っているぞ、悪いもの抱えてるとか、トラブル抱えてるとか」

「っそんなことはない!!父に限って、そんなことは」

「へえ……」

 ダレスはにやにやとしながら、クレンを見下すようにあごをあげてわらった。

「おれがいやだといった……ら―?」

 そういいかけた瞬間にクレンはダレスの頭部をがっしりとつかんだ。そして無理やり、彼の気と記憶、残留思念をたどった。

「同意なしか、傷つくねえ……」

 そういいつつも、ダレスは同時にめをつぶった。

(まあいいさ、俺はどうせ、失敗したんだ)

 彼の心の中は諦めで満たされていた。


 次の瞬間、クレンの意識は街の中にあった。クレン意外がすべて時間がとまったように一時停止していて、時間の流れがない。その人込みの中で、ある意識―壺に残された念―あの女性特有の念を探す。人はそれぞれ特有の念や気をもっている。クレンはそれを“匂い”でとらえて覚えている。あれは少し酸っぱいような花の匂いにおもえた。ふと街角を通りかかる人影をみた。それは明らかに“件の女性”のものだった、あとをつけてみると、裏路地である男と話あっている。

“あの男は――”

その男に、クレンは見覚えがあった、闇骨董商。いわくつきの品を裏ルートで仕入れ売買している男、その一人、名は確か―バドヌ―

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