目撃
ソネコはとても、臆病で自信がなさげな霊だった。いつも自分の事を卑下して話すし、自分を責めている。それも生きていた頃の事が関係あると彼女は話た。彼女にはできた兄がいて、彼と比べられる恐怖や不安からそういう性格になったのだと、そして彼女は自分の行い、正しい行いや、善い行いをしたとしても自分を責める所があった。件の子供を助けたあとも
「勘違いさせてしまったのは私のせいです」
クレンはそれをみて悲しくなるのだった。そんな中、あるときから父生善がクレンの修行場について知りたがり、クレンが亡霊をかくまっているのではないかと疑い始めたことがあった。というのも妖怪魔物なら生善の鈍い感覚によって感知されることはないのだが、亡霊や悪霊に関して生善の感覚は鋭いからだ。
「なあ、あの時の事故の亡霊の話なんだけど……俺はもしかしたら、あの占い師がいっていることは違う可能性もあると思い始めているんだ」
と、ソネコが目撃された事件のことまで話はじめていて、クレンは厳戒態勢で、ソネコと修行場を守らなければいけないと思っていた。
そんな中、事件は起きた。それは、ちょうど母が病にふせっているときだった。母の家系は代々、女は短命なことがおおく、持病というか、退魔師だけがなるという奇病に苦しめられていた。しかし、母の状態はよいと知らされていたし、重い病だったが、十数年は生きるだろうといわれていたし、実際苦しんでいる様子はなかった。
クレンは、その日も仕事にいっていたのだが、その日に出会った霊も、ただ“街中で目撃される”だけで、悪いことをせず、とても悪い霊におもえず、成仏できない淡い未練があるだけだったようなので、成仏せずに様子を見る事にして帰った。
家に帰ると、家には母しかいないようで、母のもとにかけより様子をみる。
「母さん、大丈夫かい」
「ええ、なんとかね」
「父さんはまだ帰ってない?」
「あれ?あんたの修行場にあんたをみにいくっていってたけど」
「え?今日仕事だっていってあったけどなあ」
クレンは、妙な感覚と嫌な予感に襲われて、修行場に急いだ。
クレンが急いで修行場についたとき、あたりは真っ黒な瘴気につつまれていた。父の背中をみつけて、声をかける。
「父さん!!」
「ク、クレン!!!……」
近づいていく、父は腹部から血をだしていた。
「!!」
「くるな!クレン」
父の奥でソネコがこちらをみていた。手には、鎌をもっていた。こちらに気づき驚いて鎌を手放す。
「!!!!」
「ぐはっ!!!」
「父さん!!」
血をはき傷ついている生善。
「お前が、やったのか?ソネコ」




