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「お願い!!お願い、あなたのためならなんでもする!!物を盗むのだって、初めは抵抗したけど、呪われたものを盗んで浄化するだけだって、自分に言い聞かせて……だから」

「浄化?」

「そ、そうよ、捨ててはいない、ただ盗んだだけだとすぐに足がつく、私は不要なものはすべてお寺に預けているわ、持ち主の元へ戻るのなら、この行為はいつまでもつづけられる」

「???なんでいつまでも続けるつもりなの?」

「!?」

 サノンという女の影はひれふすように地面に腰をひざまずき、妹と思われる自分を見下ろすその影を見つめた。

「早くけりをつければいい、それに盗んだのはあなた」

「そ、それはどういう、ヒギィイ!!!」

 またもや妹と思しき影は、ひざまずく女の鼻をつかみ、そして足をふみつけた。

「や、やべてえ!!!」

「当り前じゃない、あんたが捕まっても私はしばらくつかまらないでしょう“強い呪力”さえあれば、その後の事はなんでもできる、く、くふふふ、ブタみたいな声あげて、かわいいところあるじゃない、あなたが私と復縁しようといったのよ、復縁したかったら、いう通りにしなさい、お姉ちゃん」

 なんとか鼻を掴む手と足をふみにじる足をしりぞけて、ひざまづいた影はいう。

「あなたがでていってから、本当に悲しかった……こんなに残酷になって、戻ってくるなんて」

《バシィッ!!》

「あんたが、すべて悪いのよ、あんたが本当に残酷なんでしょう?忘れたの?私にしたこと」

 勢いよくビンタをする、見下す方の女、その女の目は夕日にてらされ、赤く鈍い光をまとっていて、さらに血走っており、血の涙を流しているようだった。するどくにらみつけ、ひざまずく女は身震いをした。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」


 ふと、現実に引き戻される。クレンは座禅で痺れ痛む足に、知らず知らず手を伸ばし、ぼんやりと歪む景色と、少しずつ色を取り戻す世界、もどる自意識にたちくらみのようなものを感じながらも、徐々に自分が今までしていたことに気が付いた。

「はっ……もどったか」

 正面を見ると、男は布団の中ですうすうと寝息を立てている。渦巻いて混乱していた気は、徐々に正常な流れを取り戻しつつある。男が正気を取り戻せば、また戦いになるだろうか?そんなことを考えながら、ふと今見たものに考えを集中する。

「……きっとこの壺は盗品、影になって現れたあの姉妹?が、今度の事の鍵を握っているのかもしれない……ていうことは、先に突き止めないと」

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