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ゾーン

 その夜、セイヤとネットゲームで遊び終わったクレンは眠りにつき、夢をみていた。こっそり“瞑想次元”らしきものに入り、カルマイーターを名乗るダレスという男と意識をつなげた時の事。

 男は現実でそうしているように、白い世界でよこたわっていて、まるで現実逃避をするように、ねたままブツブツと何かをつぶやいている。

「ここは……」

 以前男の中にはいったときは、こうした実体同士の会話はなかく、ただ男を意識を通じただけだったが、今度の“瞑想次元”らしきものは、二人の意識がくっきりと体現されたような形だった。男は以前よりしっかりとした自我をもっており、徐々に意識男そのものの気は回復しているように見えた。

「俺は負けてない……負けたら、彼女は俺を見放すだろう……彼女自身が自分を見放しているように……命令者は誰なんだ?デゲス……いや……あいつは弟を襲うようにいってきたが、この問題の首謀者は……骨董品を集めされているやつだ、いわくつきのものを集めて、悪霊をあつめて何かをしようとしている……あの退魔師の親子に目をつけて、多くの人間、“男”を騙している……でも彼女は違う、彼女は違うはずだ」

「……」

 クレンは彼を見下ろし、つかつかとあるいていくと、その肩に手を触れた。

「おい」

「俺は……任務を失敗した、帰る場所などない、失敗つづきで、もう後には引けなかったのに、あのクレンとかいう小僧……」

「なあ、おい」

「カルマテイカー、やっとカルマテイカーになったのに」

「おいって!!」

「……」

 男がごろり、とセイヤのほうに転がると、男は涙をながしていた。

「大の男が、だせえ……」

「……」

 何もいわずに、男はからだをおこし、胡坐をかいた。

「何の用だ……」

 セイヤは、男を必要以上に傷付けたことを思い出して後頭部に手をあてながら、男に質問する。

「いや……まだここが現実だと信じられないが、もしあんたが本当に“デゲス”ならある壺に心当たりがないか見てほしいんだ、いわくつきのものだが、昔から俺は、父親よりは残留思念を見る能力が強いが、まるでそれが“洗浄”されたように浄化されていて、わからない」

 そういって、クレンは脇から例の蔵からもってきた壺をとりだした。

「これは……」

 デゲスはそれにゆっくりと手を差し伸べる。

「心当たりがあるのか……」

「なんでここに?」

「さあ、おかれていたんだ、手紙と一緒に……どういうものかわからないが、確かに憑き物がついてる、家の寺で供養するつもりだよ」

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