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早朝

 朝方目を覚まし、父と顔を合わせるクレン、父のほうが早く起きており、クレンは食事の準備をしようとキッチンに向かった、その前にすれ違いクレンは昨日疑問に思っていたことを思い出す。

(父は兄のことを聞いても不思議に思わなかった……)

 しかしその時はなかなか言い出すような雰囲気ではなく食事の時にそれとなく聞いてみることにした。

「あのさあ……兄さんのことだけど」

 居間には畳の上にテーブルがあり、畳に腰かけて使うようになっている。座布団がひかれ、乱雑に調味料やらがおかれている、そこをふいて、クレンがひとこと。

「兄さんは、父さんが“カルマテイカー”にいることをしっていたようだけど」

 ゴクリと生唾をのんで、生善が静かに新聞からめをそらしこっちをみる、静寂が流れる。

「ああ、そうだ、すまない、それなりの情報は入って入る……だがお前が落ち込むとおもって」

 いつもそうだ、父はいつも肝心なときに秘密主義だ。仲のいい兄弟がどうなっているか、少しくらい話してもいいようなものなのに、とクレンは少し怒りがわいてきた。しかし、その空気間をさとったように父が話題をそらそうとする。

「ああそうだ、クレン……」

「ん?」

「あまり目立つところでは力を使わないようにして、無駄な争いをさけることだ」

「父さんまるで退魔師にもどったかのような言いぐさだけど俺は戻るつもりはないよ」

「ああ、そうだったな」

 そんなこんなで、詳しく説明をしてもらう機会を失った早朝だった。


 通学のとき公園を通りかかる、あのランという猫は元気に動きまわっていた。少しうれしくなり、くすりと笑う。その瞬間、何かが覆いかぶさるようにして視界の中に入ってきた。着物―そしてにこやかな表情―、自らを九十九霊と語る少女の亡霊クノハだった。

「おはようございます」

「おはよう」

 ごく普通の挨拶をかわす、少し前まででは考えられなかった光景だ。

「クレン様、そろそろ修行をしないのですか?」

「修行?」

「いえ、最近力を使う機会も多いですし、クレン様も必要な時に力を使うことに、抵抗はないようでしたので」

「あのねえ、それとこれとは違うよ、僕はもう」

「ええ、退魔師を名乗るつもりはないのでしょう?ですが力を使う事をためらう必要はないのではないですか?退魔師でなくとも力をため、霊媒師のような事ができるのであれば、危険が迫ってきても対処できるではないですか」

「いやあ、それはそうだけど……それなりに決心がいるなあ……」

 そういいつつも、クレンは昨日自分の力を制御できずに気絶された男の顏が浮かんだ。

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