咄嗟
(やっぱり……)
「シノメ……あんた、姉さんに何かをしたんだろう?復讐したのか?」
《ピタッ》
「な、何をいっているの?」
シノメは一瞬動きをとめた。
「あんたの行動と言葉にはチグハグな面がある、迷いというか、そしてあんたの行動はむしろ、あんたの間違いを裏付けしているんじゃないか、もしかして、あんたは自分の間違いを消すために“妄想”にひたってる、仮面を必要としているんじゃないか?あんたの願いは……本当に“力”を手に入れることなのか?」
「うるさい、うるさいな!!」
クレンはカマをかけ、追い打ちをかけるために続けざまに叫んだ。
「“退魔の面”の代償―妄想や自己暗示―自分の間違いを自覚せず、改善しないで人にぶつければ、延々妄想に浸れる、あんたはそうやって逃げているんじゃ」
「あんたに何がわかる!!」
シノメが叫んだ。その叫びに応じて、シノメの白き退魔の面は帯状のものを放出し
、彼女の体半分を斜めに鎧のような形状になり覆い隠すと、彼女の握るサーベルはより強固に、巨大になり、その切っ先がクレンに向かった。
「おい、動くな」
その頃、サノンを介抱していたセイヤは、サノンが無理に体を起こそうとしているので注意をした。
「ちょっと、用事があるの」
「何の?」
「きっとクレンは答えを見つける、けれどカルマテイカーは何も進歩していないわけじゃないから、彼にも知らない事があるわ」
「?どういうことだ」
深くため息をはいた。
「きっと、クレンは《シノメのウソ》を見抜くだろうけど、カルマテイカーという組織は、むしろ“白き退魔の面”の弱点を無視し、手下たちをまるで使い捨ての道具のように使えるように変化してきたわ、つまり昔より仮面の“暗示、妄想”という代償は強くなっている、直接固く誓った嘘を告げられて素直に認める人間がいるかしら?」
「どうする気だ」
「私がいくのよ」
「まだ動かないほうが……」
サノンはたちあがり、不安そうに自分を見上げるセイヤを見下ろしていった。
「大丈夫、私は人外だから、そう―そもそも彼女を裏切ったときから、人でなし、あなたの友人は私が守る」
その時、クレンシノメの攻撃をよけようとした。だが反応が少し遅れた。
「カハッ!!」
クレンの脇腹をえぐり、つらぬく巨大なサーベル。しかしそれはシノメの意思や行動とは別に、まるで鎧とサーベルが意思をもったかのように、自律して動いているだけだった。当のシノメは、狂乱し、頭をかかえ、泣き叫んでいる。
「があああああ、ああああ!!うわああああ!!!」




