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セイヤの問い

 セイヤは、姉のサノンの介抱を頼まれ、そうしていた。抱きかかえ、呼吸などの様子をみる。

「なんで、クレンに全部教えなかった……」

「退魔器官は絶望に応える、誰もが退魔師になる力をもつ、妹は退魔師たちがその気かいを奪っているといっていました、私はもう妹の言いなりですから」

「いや、クレン曰くだが……管理し、正しい修行を行わなければ力は暴走するはずだ」

「そうね、そうよね、わかっている、けれど妹を見ていると痛々しくて、ただ、期待でもあるのよ、彼は必ず絶望をしている、ならば気づくはずだと」


 ヨギとシノメの二人が鋭い爪で突進しているころ、その脇で、奇妙な声が聞こえた。

「クノハ!!」

「ハイ!!」

 次の瞬間、ヨギの直ぐ真横に気配があった、白い、奇妙な気配が。

「しまっ……」

 しかしその白い存在―和服姿の幽霊クノハは何もしてこなかった。が、次の瞬間、ヨギに想いもしない方向から衝撃が加わる。生善の胸元、仮面が光り、いや……何か莫大な気を反射して、ヨギに襲いかかったのだ。

「ぐああ!!!」

 それによってヨギは、勢いを完全に失い。それどころか、力のほとんどを無駄に使い果たしてしまった。

「くそ!!この女!!」

「恨めしいですか?」

「ああ!!?」

「かわいそう、本当の自分を知らずに、人を恨むなんて」

「は??」

 

 シノメは、鋭いつめで生善に襲いかかり、仕留め、ついでに胸元の“退魔の面”を盗み取ろうとしていたが、生善の直ぐ間際まできて、ニヤリとわらい腕に振りかぶるための力をいれたところで退魔の面が奇妙に光ったのを感じた。そして生善が奇妙につぶやく。

「遅いぞ……」

「しまった、罠か!?」

 ズザッ、と砂埃をまき散らして、足をとめスピードを殺すシノメ、そして飛びのき後ずさりして、様子をうかがう。その瞬間を見はからって、ある影がシノメの前に現れた。シノメが恨めしそうにいう。

「クレン……」

「シノメ……さん」

「ヒーロー気取りか、またいい時に現れやがって!!」

「なあ、話を……」

「話なんて聞くかあ!!」

 シノメは鋭いつめを薙ぎ払うようにして、クレンを弾き飛ばそうとした。だがクレンは、思わぬ方法でそれをとめた。全身で、鋭いつめが当たりそうな場所に気をためて、うけとめたのだった。だがほとんどは勢いと鋭さを受け止めきることができず、血が滴りおちる。

 一瞬シノメに動揺が走る。

「お前……なんでそこまで」

「あなたの為でもある、退魔の面は、そんなに便利なものじゃない、必ず“代償”を必要とする」


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