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逃亡

「クレンは!!初めから私を逃がすつもりで!!」

「カノンさん……彼はあなたを裏切ったことなんてないはずです」

「?あなたはクレンを昔から知っているの?」

「……私は……さっき、クレン様の気にふれて少し思い出したことがあったのです」

 カノンが生い茂る林をかき分けていると、ざっと足音が暗闇からきこえてきた。カノンが叫ぶ。

「誰!?」

 そこにたっていたのは、黒い仮面をてにした生善だった。


 クレンは、シノメにがんじがらめにされ身動きがとれずにいた。だがシノメもトドメを刺すつもりなどないように見えた。クレンは、苦しい喉でうめき声のように、ささやいた。

「セイ……ヤ」

「!??」

 シノメはクレンの後ろを見る。セイヤは、たしかに縄をほどかれていたようだったが、特段変わった様子はないようにみえた。

「何なのよ、はったり?それとも、命乞いかしら?……一般人に渡したち“力あるもの”の戦いはわからないというのに、ホラ、おびえているじゃない、セーイヤくん♪」

 そのとき、セイヤがまるで自分を奮い立たせるかのように大声を張り上げた。

「クレン!!いけるぞ!!」

「……ああ」

 セイヤは、何をおもったか、クレンの体をうしろからぎゅっと腹部をもち、k都営した。その瞬間。シノメは突然背後に気配があるのを感じて、振り返った。

「しまっ……」

 その瞬間だった。シノメは真後ろから、鋭い、まるで自分の爪のように鋭い針のようなもので突き刺された感覚があった。

「な……なんだ……コレ……」

 針に手をかざす。

「これは、光る糸?まさか、気でこんなものを編み出したのか?」

 ドサっ、と、前のめりに倒れかかるシノメ。そのまま前を見上げると、まるで能面のような面が宙にうかんでいて。しかしそれはすぐさま幻影のように消えた。そしてそこには、浮遊する人型にきりとられた紙だけが残った。

「式札……式神か」

 次に後ろのクレンが話す。彼女の背後にたち、彼女を気の針で突き刺したのはクレンだったのだ。

「そう、式神……退魔師の身代わり」

 クレンがそういった、瞬間、今度はクレンが真後ろに気配を感じだ。

「なんてね!」

 クレンが気の針を突き刺したとおもった相手は、徐々に姿をかえ、それはヨギの形に変化したのだった。

「私たちも、“能力”でおもてなししないとねえ!!」

 ヨギは、するどい両の爪で、クレンのいたるところをつきさした。

「うあああああ!!!」

「バカねえ、クレン、少ない“気”ですることが、ソレなんて、どうやらあの“亡霊”の気もないし、あんたもう、おわったわね」

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