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仮面

 シノメは突然、白い半仮面をどこからかとりだした。蝶のようなあしらいのあるそれは、シノメの力を増幅させているかのようにみえた。

「!!」

 クレンは驚き尋ねる。

「それは?」

「これは“業”の半仮面、あなたたちの退魔の面とは違い、力を引き出すためのもの」

「引き出す??」

「あなたたちの面は、どうやら半端ものみたいねえ、ルールやら掟やらにしばられて、不要な仮面をつけているって話じゃない」

「……?誰に教わった?」

「デゲス様にきまっているじゃなあい!!!」

 シノメは突然爪を立てるようなしぐさをみせた。すると爪はまるで獣のようにのび、しかし赤いマニュキアをぬったような見た目をしていて、おしゃれと武器との間のようにみえた。

「そんなもので戦う気?」

「クレンく~~ん、私、あなたの血、吸ってみたかったのよね」

 シノメはペロリ、とその爪をなめた。すると、舌から血がしたたり、たしかにその武器の切れ味を証明するのだった。

「あんたはいいわよね、何もかもてにいれて、家族にも恵まれて、だから、だから、苦しい現実なんてみなくていいし、人に媚びる必要もない、ばかみたいに、ヒーローだなんて自称したり、今でも名残惜しくて、そのまねごとをしている」

「くっ」

「ここ最近のあなたのまわりでできた出来事、ほとんど私が噛んでいるのよ、あのなんとかって猫ちゃんをおそったところから、全部、全部ね!!」

 カノンが驚いて、シノメを凝視した。

「!!」

 クレンのもとに、シノメがとびついてきた。片方の肩を伸びた左手の爪でつかんだ。

「うああああ!!」

 クレンの肩からジンジンと血がにじむ。次にシノメは右手のムチのようなものをクレンのくびにたたきつけ、まきつけた。

「くうう!!」

 身動きがとれないクレン。セイヤが叫ぶ。

「クレン!!何やってるんだ!!!」

 その時、クレンは叫んだ。

「今だ!!クノハ!!」

「はい!!!」

 その活気あふれる返答はクレンにしか聞こえなかったが、クノハは、すでに何らかの準備をおえたのか、カノンの傍にいつの間にか控えており、両手をかかえ、その両手は光を放ち、両手をスーッと伸ばすと、それをカノンにあてた。次の瞬間。

《ブチブチブチッ!!》

 カノンの手足を縛っていた縄がはじけた。

「!!しまった!!」

 シノメが気づき叫んだ。カノンの脳裏に、直接声が響いた。

「カノンさん、早くここから離れましょう」

「あなたは?」

「クノハです、あなたの直ぐ傍にいます、今はともかく生善さんのお寺へ、そこでなんとか助けを求めましょう」

 そしてカノンは、言われるがままに脱出を試みた。

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