021.Jw〇ve《異世界》
Jw〇veの異世界編です。
《とある異世界にて》
この世界のラーメン屋の朝は早い。前の世界も早かったが、こっちはもっと早い。
あの猫の言ってた通り、ラジオはなかったが、他にもないものがたくさんあった。いわゆるインフラってやつが全然整備されてなかった。
水道、ガス、電気、、もちろん街頭なんてものもない。だから、皆、日の出とともに起きて、日の入りと共に寝る。そのせいで、営業時間は現世で11時だったのが、こっちだと6時になっちまった。
あ?!朝からラーメンなんて食えるかって?それがこっちの奴ら異様に胃腸つええんだよ。やっぱりあれかな、公衆衛生も遅れてるから、勝手に鍛われるのかもしれん。
そんなわけで、いつもの声が聞こえる頃には、俺は準備万端でカウンターの内側にいる。
《マンデー―――――――――――――――――
モ―――――――――――――――――――
二――――――――――――――――――
ング!!!!!!!!!!!!!!!!!!!》
どこからか聞こえてくる気持ちのいい大声と一緒に今日第一号の客もやってきた。
「大将!またきたぜ!」
「へい!いらっしゃい!何にする」
「朝ラーメンセット頼むぜ。景気づけに生もつけてくれ!!」
「おっちゃん、朝から生はやめとけよ。奥さんにも出すなって言われてるんだ。水、ジョッキで出してやるから我慢しな。」
「えーーーーーケチくせえなあ。ってかアイツここに来てんのか??」
「来てるも何も、おっちゃんが夕方べろべろになってんの迎えに来るの奥さんじゃねえか。大丈夫かよ。そのうち、捨てられんじゃねえぞ。」
「へ、ばっかやろう。あいつが俺に惚れてんだ。別れるときゃあ、こっちが捨ててやるってんだ。」
「へいへい。ほんと知らねえぞ」
「大将、おはよー」
「おお、おはよう。そっちのテーブル席かけてくんな。注文決まったら声かけてくれ。」
おっさんと話していたら、また常連客がきた。流れるように案内しつつ、調理を進める。現世から数えれば、うん十年目。現世と大分勝手も変わってしまったが、慣れたものだ。
今の世界にきて、冒険者やってみたりもしたが、結局ラーメン屋に落ち着いた。
冒険者稼業で、色んな素材集めてるうちに、これラーメンにしたら美味いんじゃねえかって考えてしまい、野営で他の冒険者に振舞ってたら、あれよあれよと評判になって、いつの間にか店やる運びになっちまった。
そんで店構えて、いざ開店しようって時に、懐かしいイントロと冒頭のあの声が流れてきた。
「ほんとに流れてくるとはな・・・」
あの時は、大人げなく猫に詰め寄っちまったが、正直半信半疑だった。おかげさまでbgmだけは、現世と変わらずに営業できている。
異世界の客たちも、最初は不振がってたが、慣れちまえば大して違和感ないらしい。
一時期は貴族がきて騒ぎになったが、日本語で意味は分かんないし、貴族様の音楽の趣味には合わないしで、いつの間にか放置されるようになった。
ずーっと聞いてる常連客は、なんとなく雰囲気掴んでくるのか、ピ〇兄が、リスナーの電話を突然切るとこなんかで笑ってたりする。
ピス〇すげえな。異世界人に通じてるぞ。
とりあえず、そんなこんなで異世界でもラーメン屋続けてるわけだ。
うちのは、女性でも食べやすいベジポタスープで麺は細麺だ。朝からでもイケるし、がっつり食べたければ替え玉もある。替え玉にはチャーシューの切れ端つけてるぜ。
この世界にくることあったら、ぜひ食べてってくれ―――――――――
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《とある神界にて》
『ほう・・・あのカフェの猫とは言ったが、まさか優雅にカフェで、それも地上の音楽を流して仕事とはいいご身分だな。
実際のお前は謹慎中だから、直接の処罰は難しいが。謹慎期間の延長くらいはできることを忘れないことだ。』
「(相変わらずのクソ上司だ・・・・・・にゃ)」
ギロリ
「ウニャッッ!?!?」
Jw〇ve ー終わりー
お読みいただいてありがとうございます。
ラーメン屋さんは実際のモデルがあります。
3・11の翌日も営業してくださっていて、あの朝食べたラーメンはとても沁みました。
Jw〇veの表現、問題ありましたらご指摘ください。




