ふえた… その2
驚いたけど、これに関しては問題ないわ。
意外な人が迎えに来たから驚いてという事で、済ませられる。
苦手だって、ばれてないはず…。
しかし、どうして君がお迎に来てるの?
「アメジスト公爵令息様、お久しゅうございますわ。本日、私はレオン殿下とお会いする為に参りましたの。貴方様が迎えとは、どういう事でしょう?」
「どうか僕の事は、グレアムとお呼び下さい。先日の事をお詫びしたくて、レオン殿下にお願いし、今日はこちらにお迎えに上がったのです」
詫びですと?
先日のツンツン攻撃に関してですか?
確かに疲れましたけどね。
詫びて頂くほどでもないんですが、今日のグレアム様…どうしたの?
すごく優しい雰囲気なんだよね。自然体というか。
あ、後ろに茶髪の従者さん、みっけ。なんかこちらも凄くニコニコしてるぞ…。
私もシリーに付き添って貰ってるから、余計に2人で何?って感じだよ。
それに、レオン殿下からのお迎えって事だよね。
こちらが知らないうちにグレアム様はレオン殿下と会ってた訳ですか?
新しい事で凄く忙しいって、手紙に書いてあったけど…それに関する事かな。
「歩きながらお話しましょう。殿下達がお待ちですから」
「ありがとうございます、グレアム様。案内をお願い致しますわ。あと、よろしければ私の事も、ローゼマリーとお呼び下さいませ」
「ローゼマリー嬢…ありがとうございます」
ふわわ…。
今、美少年の照れ顔頂きましたよ?!
ちょっぴり照れくさい。けど、喜びが滲んじゃう笑顔のグレアム様。
まじか。むっちゃ可愛いんだが。おまけに凶器?
たまたま見た周りの人達も、見惚れて、ポーっとしちゃってるよ!笑顔1つで機能麻痺を起こしとる。城に居る人達って、美形の見慣れてるはずなんだけどね。今更だけど『ゲーム』の余波か、全体的に美形が多いんだよ。それが一撃だよ…。
グレアム様に何が起こったの?エスコートされてるから、至近距離で笑顔を見てしまったんだけど、性格が変わってない?
「実は最初にお会いしてから、何度かレオン殿下と話す機会があったんですよ。その時に僕の気持ちを聞かれたのです」
「気持ちですか?」
「失礼な態度を取っていたのは、どういう気持ちからか?嫌いなのかと」
おおぅ…レオン殿下、真っ向勝負いきますね!
「違いますよ?嫌ってなんか居ません。逆です」
「逆ですか?」
「ローゼマリー嬢が誤解するって、レオン殿下が言ってましたけど、本当だったんですね…。違います。好きなんです」
「…っ!」
瞬間、思い出した。この国では同姓婚OKだったことを!
まさか、この子。レオン殿下が好きになっちゃったの?!
ライバルが私だから、気に入らない故のあの態度だったわけか!
「お2人が、とても好きなんです」
…瞬間沸騰した驚きが、瞬間凍結したわ。
はい?ふたりって、誰と誰やねん?
じーっと、グレアム様とお互い見詰めあう。
なんだろう。
すっごい綺麗な猫ちゃんと見詰め合ってる気分だよ。
散歩コースで会う、いつもは無視されるお猫様が、今日に限って可愛い声だして「かまえ」って寄って来た気分なんだけど。なんの心境の変化だね。
構って良いのか、悪いのか。
人間は可愛いあいつに翻弄されるだけの存在になるんだよ。
いや、今考えるべきは猫じゃなく、目の前のグレアム様だから。
「レオン殿下と、私でしょうか?」
「そうです。レオン殿下に注意されたんですよ。それで改めて僕の取った態度について考えたんです。お2人に対して、凄く誤解される態度だったと」
「好きだと言って下さるのは光栄なのですが、どうしてなのかお聞きしても?」
それからグレアム様のお話を伺ったんだけど。
どうやら今までグレアム様と普通に喋れる子供が居なかったらしい。なんぞ、それは?と思ったんだけど、聞いて納得した。たしかに免疫無かったら、グレアムと普通に喋れるのは大人だけになりそう。特に女の子だったら厳しいよ。こんな綺麗な子が傍に来たら、喋れなくなる!アイドルがいきなり来たようなものだよ。分かるよ。特出しすぎなんだな…。
グレアム様一人っ子だしね。私は兄ちゃんが居るし、レオン殿下も居たからなぁ。
とにかく普通に喋れるのが嬉しかった事。
そして話の内容が楽しかった事。
「僕はあんなに楽しいと思った事が無かったんです」
まじですか…。なんとも言えない気分になるよ。あの話の内容で楽しいですか…研究者とかこんな感じなのかな?ネットで話があう人探すとか無いものね。
「お2人の反応が楽しくて、もっとと思っていたら、あんな感じに。レオン殿下に、このままだと嫌われるだけだと言われてしまいました…」
えーっと、今までお友達がいなかったから、加減が分からず突いてたと。
つまり歪んでるけど、単なる構ってちゃん…だったんですか?
レオン殿下…良く分かったね。
単なる気位の高いツンなお子様だと思ってたよ。
「ローゼマリー嬢、許してくれますか?」
ちょっと…そんな澄んだ瞳で見るなよ~!
「許すも何も、悪い事などグレアム様はされてませんでしょう?仲良くして頂けるのなら、私も嬉しいですわ」
「仲良くしてくれるんですね!」
なんか思いがけなく懐かれたよ。
まぁ改まって喋るより、お迎えに来たついでに話したほうが、気楽だな。
ただ、凄く期待値が高いけど、大丈夫だろうか。
天才に愛想を尽かされないと良いなぁ。
喋りながらも、お茶会に使ってる場所に連れて来て貰ったんですが。
「やっと来たー。遅いよ~」
「うぉ、まじか!グレアムが女の子を連れて来たぞ?!」
「ウルヴァ、話聞いてなかったの?今日はレオン様の婚約者様が来るって、言ってたでしょー」
「そうだったか?」
「ホント、バカー。剣の振りすぎで頭の中身、飛んで行ったんじゃないのー?」
「なんだと!ルペスの方が魔法バカだろうが」
「そう言うのは、良い意味のバカなのー。ウルヴァの頭の出来と一緒にしないでー」
「ロゼ、良く来てくれたね。会いたかったよ。グレアムもお迎え、ありがとう。助かったよ」
「もったいないお言葉です」
「さぁ座って。皆、紹介するよ」
にこやかに微笑むレオン殿下の他に、赤と水色がいるよ~?!
攻略対象が増えたー!




