↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼は王子様になれない  作者: カキノキ
38/42

ふえた… その1



「強烈に疲れました…」


「ロゼに同じ…」


攻略対象の1人グレアム様とのお茶会は、凄く大変だった。

貴族の同世代の子供って、皆あんなツンツンなの?

レオン殿下は前世がある所為か子供らしくないというか、こちらも中身の事を考えずに喋れる。兄ちゃんも、なんやかんや言って凄く大人びた考えで落ち着いているから、普通に喋れるんだよね。


好奇心の塊なのは分かったし、頭も凄く良いんだと分かった。

医療の話から、国の衛生状態の話へ。

グレアム様は便利な器具を作っても、貧困層が多くなれば対処が絶対的に追いつかないとの意見から、孤児院やスラムの話になって、雇用問題などにも話が広がった訳なんだけど。

8歳で政治の話をするって、あり?

貴方も転生者ですか?って聞きたかったよ。


「俺、転生でチートだと思ってたけど、甘かったよ」


「分かります…」


あれが本物ってやつか。英才教育の賜物か分からないけど、凄いわ…。


「ところで『ゲーム』で、本当に何も無かったの?」


「何も無かったとは?」


「“グレアム”と“ローゼマリー”だよ。“レオンルート”でしか“ローゼマリー”は出てこないって、言ってたよね」


「はい。現実の事を考えたら、まったく係わりが無いって言うのも、変なんですけどね」


だって、親が友達なんだよ?

それも相当仲が良いもの。

あー、“ローゼマリー”が駄目過ぎて、紹介しなかったのかな?


「それで“レオン”の時には他の攻略対象は出てこない?」


「ですね。側近候補と言っても良い方達ですから、傍にいそうなんですけどね…」



ゲームやラノベである断罪場面だと、王子やその側近が力を合わせ、悪役令嬢に今までしてきた証拠を突きつけるのがセオリーだよね。

ばれてるんだよ!ざまぁだ~!と、やる訳で。


ただ、あの『ゲーム』の断罪は、“レオン”だけだったんだよね。

急遽の断罪だったからかも知れないけど。

それでも存在が出てこないのは…もしかして“レオン”は、ぼっちだったのでは?とも思っちゃうけどね。


実は卒業パーティーは王子の義務を果たすと言って、“ローゼマリー”をエスコートする事を選んでたんだよ。だから“ヒロイン”は1人で参加。ドレスも贈れないけど、“レオン”は思いを託した指輪を贈るんだよ。

2人の思い出の花をあしらった小さな指輪。


『このパーティーを最後に、私は彼女と婚約を解消する』


そしてヒロインの手を取り、指先に口付けて(こいねが)うの。


『私の最愛。どうかこの指輪で繋ぐ事を許してくれ。総てを終わらせてくる。次、会う時は覚悟しろ。離さないからな』


そして、その指輪を口付けた左の薬指にはめるのさ。


うむ、良いスチルでありましたよ。

美形の色っぽい上目づかいが、美味しいしゅうございました。


ところがパーティー直前にヒロインが(さら)われて、“レオン”が救出。贈った指輪が魔道具で、ヒロインの危機を知らせる物だったんだよね。それから国の影さんが大活躍。救出の後始末から、ヒロインの新しいドレスの準備に、攫ったのが“ローゼマリー”による仕業だという証拠まで、ばっちり揃えて下さる有能さ。そのまま“レオン”が『約束どおり』離す事無く、パーティーへエスコートして断罪になるのよね。余計な事をしなければ“ローゼマリー”は、エスコート()、してもらえたんだよ。


そんな訳で、“レオン”に付いてる国の諜報を使って調べた証拠を断罪に使ったんだよね。怒りを押し殺しながら、淡々と事実を述べ、“ローゼマリー”に公爵令嬢の自覚と反省を促し、婚約を破棄すると延べる。

冷静かつ事務的な所が、凄くかっこ良かったんだよね。

“レオン”に任せたらヒロインは大丈夫なんだ…って感じが、凄くしたんだよ。

まぁ、公爵令嬢に対して罪を突きつけるのに、学生が調べるよりプロの方が信頼があるし、きちんと証拠って言えそう…なんて、今は思うけど。



「うーん…」


「どうかしました?」


「グレアムって、ロゼに興味持ってたよね」


「突っかかるくらいですから、興味が無いとは言えませんが…。どちらかと言えばレオ様に興味津々だったと思います」


だってレオン殿下には凄く素直だったよ?

熱心に見詰めて、懐いてるって感じだった。


「ロゼには、そう見えたの?」


「はい…」


そんな風に聞くって事は、レオン殿下は違う意見なのかね?


「これ凄く、心配になってきたな…」


私を見ながら考え込んでるけど、どうしたんだね?頭の良い側近に転生者だとバレそうだとか?それはさすがに飛び過ぎだと思うけど…。何かボロを出しそうなのは確かに私だけどさ。


「あとは赤と緑と水色か…」


「攻略対象者ですか?」


「うん…ロゼには悪いけどね、俺だけ先に彼らに会う事になるかもね。実はオパール魔術師団長とルビー騎士団長から、面会希望が来ているんだ」


「もしかして竜様に関してですか?」


「うん、(黒竜)には人の事情に係わらせないと言ってるんだけど、興味が惹かれるのは分かるからね。代わりに俺が分かる範囲で、答える事にしようと思ってるんだ」


「国の攻防に関しては、お2人とも重要な立場ですものね」


「父親から繋がりで、将来の側近候補としてでも、顔を合わすかも知れないから…先に言っておくね」


「気を使って下さらなくても良いですのに」


「でもファンでしょ?」


うっ、確かにそうなんですけど…。

はっきり言われてしまうと、恥ずかしいよ。


「それとも憧れだけじゃないとか?」


「ファンなだけですよ~!それに一番かっこ良くて、素敵だな~って、思う人はレオ様だけですから!」


画面の向こうで見る事と現実って、私の中では違うんだよ。


「…ありがとう…ロゼに言われると、顔が嬉しくて緩んじゃうね」


コレに関しては事実だからね!顔は赤くなってるけど、胸張って言いますよ!


「ともあれ、ロゼに聞いていた情報は『ゲーム』だし年齢もあるけど、そのまま飲み込んだら駄目だって、分かったよ」


「私も注意しますわ。自分の中では、ここは現実だと思ってるつもりでも、『ゲーム』の情報に、つい頼ってますもの」


「まぁ、それも情報の1つだという事で認識していたら、構わないんじゃないかな。人はどうしたって、情報とか考え方に左右されるんだし。思い込んでいた事でも、別の見方をしたら変わる事なんて一杯あるだろうしね。柔軟な見方と考え方を身に付けるようにしたいな」


広い視野をお互い持ちたいよね~と、その日はお別れした。

私も本格的に令嬢として、お母様とお茶会に一緒に参加し始めてたから、手紙でのやりとりだけで、少し合えない期間が出来てしまった。


日常の事だけじゃなく勉強の事も手紙に書いてるから、お互い頑張ってるのは分かるんだけどね。やっぱり会いたい。

凄くたわいない言葉でもいいの。

声が聞きたいなぁ。



そんな日を過ごして、久方ぶりにレオン殿下とお会いできるという事で、登城しましたよ!楽しみで顔が緩むのを引き締めながら馬車を降りたら。


「お迎えに参りました。クリスタル公爵令嬢」


紫さん(グレアム)が居る~!レオ様~どうしよう?!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。