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彼は王子様になれない  作者: カキノキ
32/42

立つ前に断つべし その5

遅れて申し訳ありません!

途中で切るか悩んでたら、投稿忘れてましたm(_ _;)m



恋愛初心者だからか、単純に自分の資質なのか。

どうも気持ちに振り回されてるのを振り切って、注意して話を聞く事に集中した訳だよ。

当事者だけど、お子様だから。


そこで決まったのは、大々的に婚約のお披露目をしよう。

国の行事みたいにしちゃおうぜ!という物。


通常は王の婚約許可を貰って、両家の親族を呼んで神殿で婚約式。

あとはお披露目のパーティーをして、終わり。

貴族の場合、結婚にも婚約にも陛下の許可が必要なんだよ。

許可といっても役所に届出と一緒。

ほとんどの場合、記録として処理される。派閥の把握なんだろうね。

その際、この家とこの家が婚約しますよ~と、貴族社会に周知される。でも緩いお知らせみたい。またパーティーなど準備の人達が出入りする事で、周りの平民にも情報が拡散。貴族の婚約がじんわりと伝わる。

前世はメディアが発達してたから発信も手軽だけど、ここは魔法があると言え、情報は伝言ゲームな噂が主な情報源。

紙は高価だけどあるよ。でも文字の普及率が低いみたい。



そんなかなり部分的なものが普通だから、婚約式を国家行事並みの規模なんて無いわけよ。国王や王太子の結婚式ならともかく…単なる婚約だもの。


これはレオン殿下が主体で言い出した。

黒竜の契約と抱き合わせで、私と婚約した事を平民でも知ってるくらいに広めたいとの考えなんだけど…。


「父上。城のバルコニーで婚約会見したいので使用許可を!」


「会見?」


「ロゼと出会って気持ちを通じ合わせ、竜が俺達を祝福してくれてると、皆に俺の口から発表するのです」


「え…」


あ、声出ちゃった。

待って欲しい、それ公開処刑では?

広めるにしても、気持ちを通じたとか、それは要らなくない?


「レオン殿下、そこまで必要ですか?他国の使者を呼んでの披露だけでも、かなりの異例ですよ」


よくぞ言って下さいました、エリック様!

顔を引きつらせた私に気を使って下さったのか、止めたほうが良いんじゃね?の気持ちを滲ませて聞いて下さいましたよ。さすが宰相様です~。


「駄目です。直接俺がロゼをどれだけ好きか、大切か。それを語るのが大変重要だから」


「あの、どうしてですの?」


なんだか内容悪化してない?!


「俺達が本当に仲が良い事を知ってもらうんだよ。仲が良いらしいよ?なんて曖昧な噂より、実際に生で見れば説得力が違うでしょ。ふふ、任せてロゼ。君の可愛さや良い所を俺は語りつくしてみせるよ!」


いやーーー!

今、レオ様が嬉々として広場に集まった人達に喋っている未来が、見えてしまった。


「おめでたい事だからね、国全体に話が広まると思うし。そんな皆に祝われて、竜に守られた愛しあう婚約者達を引き裂こうなんて、普通は居ないでしょ?」


「他国にも広まれば、牽制になりますな…」


「そうそう、世間を味方に付けようよ。無理強いれば愛を引き裂く悪者扱い。下手に色目を使っても同様になってくれそうだし。ね、ロゼ、良いでしょう?頑張るから」


確かにそんな皆が認めて、尚且つラブラブなんです!みたいな間に入るのは、勇者でも無理だろうね…。

つまりヒロイン対策ですか。

平民だから知らなかったとか言い訳はさせないと。

あと他のご令嬢達の牽制もありですか。

色々考えて下さったんですね…。ただその為に私の何かが失われるんだけどさ…。


「分かりましたわ…」


「ロゼ!」


「わ、私だって、負けませんわよ!レオ様の良い所を他国の方に自慢いたします!」


そうさ!

大勢の前で喋るのは無理そうだけど、招待客に対して遠慮なくレオ様とこ、恋仲だと見せ付けてやろうじゃない!

考えるだけで恥ずかしいけど、惚気るだけで牽制になるならやってやるさ!



そんなこんなで、2日か程のお祭りみたいになりそうです。エリック様が張り切ってお金を使わすとか言ってる。


あと側妃に関しては、いきなり無くす事は出来ないから、猶予や条件をしっかり決めるとなった。今までは、ただ王は側妃を持てるだったんだって。

なんてゆるゆる。

使われてないと言っても、世襲制だものね。

仮にも法だし、スパーンと綺麗に無くすわけには行かない。


だから実際に結婚してから、10年間子供ができなかった場合のみ持てる。

白い結婚だった場合は駄目だし、医者に妻だけでなく夫もかかるとか…。

はっきり言えば、時間稼ぎですよ。


「どうしても駄目ならヒューだっているし、ヒューの子供でも良いでしょ?」


とは、レオ様。お父様とエリック様がため息連発してます。


婚約段階から割り込ます事の無いようにして、医療技術を上げる目論見です。

ここでは治癒魔法があるけど、婦人科なんて概念も無いからね。

産婆さんの知識がどんなものか分からないけど、専門の知識を持った方が増えて婦人科が出来たら良いなぁ。あと女医さんとか出てくれると嬉しいな。

陛下もお父様達も、魔法の才能だけでなく学ぶ事によって付けられる力に期待してるみたい。

え?ヒュース殿下が生まれたのは、レオン殿下のお陰?

それで信頼高いんですか。もしかして内政チート始めてるの、この方?


まずは法を変え、婚約式の準備を本格的に始める事になりました。


この時点では想像もしなかったんだけど、他国に知られないように動いたりで、結局2年も掛かったんだよ。





そんな事があった後日。

レオン殿下が、我が家に来られた。

最初に来られた時は、屋敷中おもてなしに気を張っていたのに、今では慣れたもの。

あ、また来た。くらいに軽い。

それは流石に言いすぎだけど、殿下の訪問は日常になっている。


天気が良い日は、庭の思い出のガゼボで良くお茶をする。

ここは2人のお気に入りになっている。今日も、そこでお茶してる。

最初は驚いた防音をかけてのお茶会は、今では通常状態になので、お付の人達も慣れたものになってる。護衛の方達も気は緩めてないけど、我が家の使用人とも顔見知りだからね。


会話の内容は勉強や、家であった事から、婚約式の話になった。


「商業ギルドまで巻き込んだんですの?本格的になりそうですね」


「ちょうど祭りの無い時期だから、何か皆で盛り上がれるものがあったら、市場が賑わうからって事らしいよ」


「楽しそうです。飾り付けとか見たいですね」


「いいね、二人で少し抜け出して見に行こうよ」


「素敵ですね!ただ、とっても魅力的ですが、こっそり見に行くのは無理では?」


子供2人でお出かけはなぁ…。

おまけにレオン殿下はキラキラ絶対目立つ。

私?まぁ使用人の皆さんが磨いてくれるので、8歳にして、なかなか良い感じですよ。ただ目付きがね、鋭くなった気もするの…。

変装するにしても、浮かれた中で何があるか分からないよね。

魔法をぶっ放して良いなら安全かもしれないけど、騒ぎを起こしては駄目でしょう。


「黒竜と今、新しい魔道具を開発中なんだ。どこかの魔法学校の姿隠しマントみたいなのが出来たら凄いと思わない?」


「まぁ~!出来るんですか?透明化なんて聞いたことも無いですよ?」


「黒竜に戦闘機のステルス機能の話をしたら、乗っちゃってね。SF映画とか、光の屈折やら空気の流れやら説明したら、色々(いじ)くって出来たみたい」


「そんなあっさり簡単に出来ちゃったんですか?」


「彼曰く難しかったらしいけど、話して一週間もせずに「出来たぞ!」なんて言って来る奴だよ?竜って、ずるいよね。竜言語って、そのまま呪文みたいに使えるみたいでさ。人じゃ呪文化するのも到底無理な事を簡単にできるし。体自体も魔法を扱うには最高の種族だし」


「そうですわね。『ゲーム』で喋る事は知ってましたけど、念話も出来るとは思いませんでした」


「うん、俺もいきなり呼びかけられた時は驚いた。ある程度近くだったら誰とでも念話出来るみたいだけど、契約者とだと距離関係なく出来るから、頭の中に電話かかって来るみたいなものでプライバシーがね…。あ、思い出した。携帯の話もしたから、ロゼとも念話できるようになるかも知れないよ」


「…一番存在がファンタジーなのに、一番前世に近い存在になってませんか?」


夢の技術を簡単に作るし、もうあの竜は宇宙を目指したら良いんだよ。


「過ぎたる科学は魔法に匹敵するだったけ?逆バージョンだよね。今の彼のブームは透明になって、あちこち出歩く事」


「見えなくても威圧感凄そう…」


「さすがに人のいる所には降りれないからね。気軽に空を飛べるだけでも楽しいみたい」


「あれ?その場合、サラさんはどうしてるんです?」


「彼に触れているものは透明化できる。結界が、どうとか言ってた。だから一緒に出かけてるよ」


「わぁー空中デートですね!」


行動がイケメン竜だけあるわ。

人化とかしないのかな。出来るなら、ちょっと見たい。


「そんな訳で、俺も彼に負けないようにロゼとデートしたい」


「私もレオ様と屋台の食べ歩きしてみたいです」


「だから彼協力、監修で頑張ってもらってる。でも難しいんだ。透過しても陽炎みたいになったり、ぼんやり黒い霧みたいになったり。やっぱりそこに何かあるのが、分かるんだよね…。ホントは魔道具じゃなくて、魔法として確立出来たら凄く便利なんだけど」


「さすがに道具無しの人だけでは難しそうですね…」


「うん、でもそれが出来たら、もしロゼが狙われた時、隠れるのに良いからね。魔法化したい」


「…ありがとうございます」


「どういたしまして。これは俺の勝手にしてる事だから」


「レオ様は優しすぎると思いますよ…」


最近思う事は、レオ様って尽くし系男子ですか?と。

喜ばしてもらってばかりなんだよ~。

花や、可愛いお菓子、趣味の良い小物。

小さな贈り物は、来るときは必ず。こっちが返す以上に、貰ってるのよ。


「無理なさってませんか?」


「してない。俺って、どうも重い男みたいなんだ…。ロゼにどこまでして良いか。手探り中」


「私こそ、その、好きって気持ちに振り回されてて。レオ様は余裕があるように見えてます」


「余裕あるように見えてたか…。父上達に婚約の話をした日。ロゼ途中で、悲しそうになったでしょう?」


「…」


レオ様を誰にも取られたくないって、嫉妬して落ち込んだよね。

だって、自分達の気持ちと関係なく、別の人が入ってくる実感が始めてだったから。


「あの時、父上達が居なかったら、何考えてたのか聞き出してたかも。俺は何時だって君を悲しませたくないし、悲しんでいる理由を取り除きたい。でも、それは勝手な気持ちなんだよ。だから押さえる様にしてる。ロゼが大丈夫って言ったなら、きっと折り合いを付けたりしてるんだと思ってる」


「そんな事考えてたんですか?」


「うん、だからね。君が大丈夫。抱えきれるって言うなら、聞かずに待つよ。でも、もう駄目だって言う時は、必ず俺に相談して。1人で決めないで。お願いだ。じゃないと、君の心を無理やり暴いてしまいそうなんだ。余裕なんて無いんだ」


「…はい、ありがとうございます」


何回この人に感謝したら良いんだろう。

情けないけど、嫉妬してる醜い心の中は見せたくない。踏み入って欲しくない。

私だって、素敵で可愛い人にレオ様に見られたいのよ。

でも実際はね…。心の成長ってどうしたら良いのかなぁ。

女友達だったら、サラさんだったら気軽に愚痴として言えそうなんだけど。


「適切な距離って、難しいですわね。私もレオ様が、兄や竜様と仲良くされているのを聞くと羨ましくなります。ですが、こうしてお話をしていると、嫌な事や憂いが綺麗になっていきますの。とっても現金ですわよね。レオ様のおかげです。何時だって、助けて頂いて、元気を貰ってますわ。悩みますが、肝心な事が出てきたならご相談しますね」


うん、一応前世の大人分。自分でする癖が付いてるからね、頑張れる所だけ頑張るよ。

だけど家族と、もう1つの支えで居てくれるレオ様の存在が嬉しい。

心がホカホカするのですよ。


嫉妬したりするけど、涙が出そうなくらい嬉しい思いも味わわせてくれるなんて、恋って凄い。




Pt、ブックマークありがとうございます。

励みになってます(*⌒∇⌒*)



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